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第52回 ~出荷量が拡大、広がる太陽電池の用途の巻 (2013年12月13日)

また腕時計が止まっちゃったわ。電池を変えてもらいに行かなくちゃ。

ソーラー電池の時計にすれば、そんなに頻繁に交換に行く必要はなくなるんじゃないの?

そうね。でも、ソーラー電池を使っている腕時計は電池の交換もせずに一生使えるものなの?

ソーラー電池のことは太陽電池ともいうんだ。ソーラー電池使用の腕時計というのは、内蔵された太陽電池が文字盤に当たった光で発電して、その電気エネルギーを二次電池というバッテリーのようなものに蓄えて時計を動かしているんだ。もちろん、この二次電池やなんかに寿命があるから永遠にという訳にはいかないようだけど、普通の電池の時計ほど頻繁に電池交換をする必要はないよ。

太陽光で発電して、使い捨て電池を使っていないということは、環境への負荷が少ないということね。

太陽光発電協会は、2013年7~9月期の太陽電池の国内出荷量が出力ベースで前年同期比の約3.3倍になったという調査結果を出しているよ。これは、原子力発電所2基分の発電能力に当たるらしいから、かなりの量だね。

再生可能エネルギーに対する注目が高まって、太陽光発電所の建設が増えたりしているからね。太陽電池って時計のほかには何に使えるのかしら?身近なものだと、時計や電卓、おもちゃにも使われていることがあるね。

他には、電力応用商品として街灯や道路標識にも使われている場合があるし、住宅用も発電システムにも太陽電池が使われているよね。

特許庁の資料でこんなのがあるわ。特許の出願数から見ると、時計や電卓用太陽電池の開発は、1970年代が一番盛んで90年代に入るとほとんど出願が無くなっているの。衛星用の開発も80年代を境に減少しているわ。だけど、住宅の屋根なんかに使われる建材用は90年代に入って急増しているの。

住宅向け太陽電池の開発が進んでいるということだね。最近は屋根の上にソーラーパネルを敷いている家をみかける機会も多くなったよね。窓ガラスにも使用できるシースルーの太陽電池もあるんだって。

そうなのね。研究が進んで、用途がもっと広がるかもしれないわね。ところで、太陽電池を作っているのはどんな企業なの?

さっきの太陽光発電協会のデータによると、国内出荷量のうち海外製品の比率は全体の72%を占めているよ。今年の4~6月期に初めて国産品を抜いたんだ。

外国企業の出荷量のほうが多いということ?

外国企業もあるけど、日本企業が海外に作った自社工場で製造・生産しているという例も増えているんだ。いろんな企業が安価な太陽電池を作って出荷量を増やそうとしているよ。例えば、日本の大手石油会社である昭和シェル石油も太陽光発電に力を入れているね。

クリーンなエネルギーが注目されている時代だから、もっと研究が進んで、用途が広がるといいわね。

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(文:海外製品チーム 鎌田)
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