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第14回 (2014年12月26日)

クリスマス・イブ。家路を急ぐ足をふと止めてみると、街のイルミネーションのなんときれいなことか。赤、青、白・・・色とりどりに輝くツリーやデコレーションを眺めているとなんだか心が温まる。

こうした見事な夜景を演出してくるのがLEDライト。従来の白熱電球や蛍光灯に比べて数倍も長持ちすると言われているのだから、冬の夜空を照らし続けるのには最高の発明品だ。今年、日本の3氏が青色LEDの発明の功績を称えられ、ノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しいが、この青色LEDのおかげで光の三原色がでそろい、どんな色の光でも再現できるようになったのだ。

私たちがLEDの恩恵を享受できるのは、研究者や技術者たちの成果の賜物だが、たとえば200年前の西洋人はキャンドルの明かりを灯してクリスマスを祝っていたはずだ。それが19世紀半ばに白熱電球が発明されたことで、人類の生活は劇的に変化を遂げる。さらに100年余後の21世紀には、白熱電球や蛍光灯の性能をはるかに凌ぐLEDが登場し、私たちの暮らしを彩っている。

ここから先は想像の世界になるが、今から100年後には、電気を使わずとも煌々と光を発し続けているような新しいテクノロジーが誕生しているかもしれない。そうすれば、原子力発電所の安全性とか、火力発電に伴う二酸化炭素の排出といった、人類が抱えるさまざまな問題に頭を悩ませる必要はなくなるだろう。

そんなのは夢物語だ―その指摘はごもっとも。だけれど、ロマンチックなクリスマスのときぐらい、楽しい未来を想像してみるのも楽しいではないか。
(二川)

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