パキスタン=財政安定に向けた政府の取組

2019/07/05 12:00

 財政難に苦しむパキスタンが今月から、支払いが遅れていたサウジアラビアからの原油供給の引き取りを始めた。先週発表した声明文で、在パキスタンのサウジアラビア大使館は、「201971日より、パキスタンは毎月、27,500万ドル相当の原油をサウジアラビアから引き取る」と発表した。

 

 壊滅状態の経済を立て直そうと、パキスタンの首相は昨年後半、中東湾岸国に対して財政面でのサポートを延期するよう求めていた。これに対しサウジアラビア政府は30億ドル相当の金融支援を申し出、原油の支払いを遅らせる措置も講じた。他の湾岸諸国では、アラブ首長国連邦(UAE)が総額62億ドルの支援を発表したものの、原油の支払い延期措置は含まれなかった。パキスタン政府はUAEに対し、上記の支援のほか32億ドル相当の原油支払い延長も求めていた。

 

 パキスタンの外貨準備高は今年1月時点で66億ドル。およそ2カ月分の輸入額をかろうじて賄う水準だった。同国の現在の財政赤字はおよし190億ドルで、2020年には200億ドルを超える水準にまで膨れ上がると見込まれていた。しかし、UAE、カタール、サウジアラビアからパキスタンに対するローンをファンドに切り替えることで、同国の準備高は2月以降、わずかに増加に転じている。その額はサウジが30億ドル、UAE10億ドル。また、カタールは先週、1億ドルを切り替えた。

 

 パキスタンは国際通貨基金(IMF)に追加支援を要請し、インフラ部門への投資資金を集めようと計画している。同国政府は経済立て直しを目指す多くのプランを計画しており、そのうちの1つが天然ガスの関税を6月後半から190%引き上げる措置だ。これには多くの大規模需要家が抵抗を示している。

 

 

インド  カムレッシュ・トレビディ 
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