シンガポール=ダイソン社が電気自動車ビジネスから撤退
掃除機や羽根無し扇風機などの家電製品で知られる英ダイソン社が、シンガポールで進めていた電気自動車プロジェクトを中止するとのニュースが11日明らかになった。
ダイソン社は2017年9月、20億ポンドを投じで電気自動車ビジネスに参入すると発表した。同ビジネスへの参入で、自動車の排ガスによる大気汚染を抑制する目的があった。18年10月には、電気自動車の生産工場をシンガポールに建設し、続いて本社もイギリスからシンガポールに移転すると発表していた。
しばらくの期間、開発にあたったものの、同プロジェクトは商業的に実行可能ではなく、電気自動車の工場建設を中止すると決定した。
関係者によると、電気自動車への新規参入者は、相当な資本投資の必要性だけではなく、信頼に足るサプライチェーンや、世界的な販売・配送網の構築に直面する。
ダイソン社以外でも、シンガポールでは電気自動車の生産に関し、他のメーカーが話し合いをしている。電気自動車の利用はシンガポールでもまだ始まったばかりだが、同国は大気汚染対策に力を注いでいる。その対策の一つとして今年2月に導入されたのが軽油税の引き上げで、軽油自動車の使用を減らそうとしている。
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