中国=SM相場の現状と見通し
中国国内のスチレンモノマー(SM)相場は、強基調に推移している。輸入品が少ないなか、需要家が国内で必要玉を手当てしているためだ。しかし、先行き新規設備の立ち上げが控えており、国内のSM供給は増える傾向にある。このため、足元の堅調なマーケットが続くか不透明な状況だ。
供給面では、9月までSM設備の平均稼働率は85%程度を維持。その後もSM相場が上昇していることを受け、多くのSM設備の稼働率は高水準に留まっている。また、Liaoning BaolaiのSM設備は9月に立ち上げに成功して以来、60%の稼働率を維持。先行き稼働率を引き上げる可能性がある。さらに、12月まで3基のSM設備が新規稼働する予定だ。11月には2基が定修入りする予定だが、いまのところ実際に稼働停止になるか不明という。
一方、国慶節の連休明け以降、輸入品の到着が遅れている一方、誘導品メーカーが在庫補充の買いを行っていたため、華東地域でSM在庫消化が進んでいる。しかし、新規設備の立ち上げや既存設備の稼働率の上昇により、在庫消化が鈍くなる可能性がある。
需要面では、発泡スチロール(EPS)が季節的な不需要期に入り、稼働率が低下する傾向にある。しかし、ポリスチレン(PS)およびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)の需要は依然として堅調に推移している。
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