中国=ANは供給過剰局面へ
中国のアクリロニトリル(AN)は、2021年後半に供給過剰局面に転じる見通しだ。下半期に計約91万〜104万トンの能力を備える新規設備が立ち上げを予定しているため。一方、誘導品設備の増強は、ABS樹脂とNBRに限られている。
2020年までに山東海江(Shandong Haijiang)、Sailboat PC、浙江石化などの新規設備が立ち上がっており、中国国内のANの実生産能力は250万9,000トンとなっている。ANの生産能力が拡大する一方、誘導品設備の増強はABS樹脂とNBRに限られる。また、誘導品相場が堅調に推移したため、ANメーカーの採算性も堅調。このため、今後5年以内に建設を予定しているAN設備も多く、21年下半期のAN供給量は需要量を大幅に上回ると見られる。こうした状況下、中国国内のAN相場に先安観が強まり、AN工場の採算も悪化するとの見方が多い。
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