中国=10~12月期以降にPP相場が下げ基調に
中国のポリプロピレン(PP)市場は、9月まで多くの新規設備が立ち上がる予定のため、今後、供給が増える見通し。また、原料であるプロピレン相場にも先安観があり、10~12月期以降のPP相場は下げ基調になると見込まれる。
中国では4月まで輸出用の需要が堅調だったため、相場が高値を維持していた。これは、2月下旬に米国で発生したハリケーンの影響で多くのポリオレフィン設備が稼働停止し、供給に不足が生じ、中国など海外から必要玉を輸入していたためだ。しかし、5月以降に中国国内で新規設備の立ち上げがあり、国内の供給量が増えている一方、南部地域では電力不足で川下工場が稼働率を引き下げる動きが見られた。また、米国のポリオレフィン設備も順次再開しており、輸入品に対する買い気が後退した。このため荷余り感が強まっている。
新規PP設備では、6月までに東華能源の第2系列が立ち上がった。一方、青島金能(Qingdao Jinneng)、古雷石化(Gulei PC)、浙江石化(ZPC)の第2系列、天津渤海(Tianjin Bohai)のいずれも立ち上げ時期が延期となったが、7~9月期までには稼働する予定という。このため10~12月の供給には潤沢感が生じるとみられている。
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