中国=スチレンモノマー・メーカーの採算悪化が継続
中国のスチレンモノマー(SM)・メーカーの採算悪化が続いている。供給に潤沢感がある一方、需要が振るわないためだ。
3月以降、原油市況が上げ基調となり、主原料となるエチレンおよびベンゼン相場が堅調に推移。原料コストが高止まりしている。また、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、需要が後退している。物流や誘導品設備の稼働に影響が出ており、複数の誘導品の在庫が積み上がり、SMに対する買い気が後退している。輸出向けの需要も強くない。このため、SMメーカーは採算割れ寸前となっている。
一方、先行きの供給は増える傾向にある。3月末までに新規設備からの供給が本格化したことに加え、4~6月期にも3基の新規設備が立ち上がる予定。さらに7~9月期にかけて約355万トンのSM新増設備が稼働を開始するとみられる。採算悪化のため稼働を停止していた設備も4月にも再開する見通しで、供給圧力が強まっている。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.