アジア=MX相場が下げ基調に
アジアのミックスキシレン(MX)相場が下げ基調となった。原油市況の高止まりで生産コストが上昇しており、石化メーカーの稼働率が低下しているためだ。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響が残り、多くの国で経済が停滞しており、石化製品の需要回復も遅れている。さらにアジア域内のMX設備の定修が2022年上半期までほぼ一巡しており、先行き供給が増える傾向にある。
また、アジアと米国市場の価格差は開いているものの、米国の需要が後退しているため、アービトラージが閉じつつある。ただ、このところ東南アジアやインドなどで溶剤需要が強まっているため、MX相場が大幅に下がることはないとの見方もある。
これまで米国のガソリン需要が旺盛だったため、MXがガソリン添加剤として使用され、米国でMX相場が堅調に推移していた。これを受けてアジアから米国向けのアービトラージが開き、アジア品が米国に大に量輸出されていた。これに支えられアジアのMX相場も堅調に推移していたが、この状況が変わりつつある。
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