新春特集=原油見通し、アナリストの視点②
マーケットエッジの小菅努代表取締役は、パンデミックの行方を重要視している。また、イラン核協議の成否も併せて着目している。理由として、2022年の需給環境で、最も大きい不確実性材料に挙げた。瞬時に大きな動きがみられる可能性を内包した材料でもあるため、何か動きが生じた場合、価格インパクトが非常に大きくなると警鐘を鳴らした。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、注目点を5項目とした。
1) 変異株を含むコロナの感染動向と各国の行動規
2) 米シェールオイルの増産ペース
3) OPECプラスの減産縮小ペース
4) イラン核協議の行方
5) FRBの利上げペースとその影響
需要面では、オミクロン株などコロナ感染が広がり、各国が行動規制を強めるか否かが原油需要の回復ペースを大きく左右すると指摘。
供給面では、米シェールオイルの増産ペースが加速するか否か。そしてOPECプラスが減産縮小を続けるのか否かなど、生産増加ペースを注目している。また、イラン核協議は引き続き難航必至だが、瓦解した場合には中東の地政学リスクの高まりとして強材料に働くと予想している。
最後に、FRBが急ピッチで利上げした場合には、市場がリスク回避地合いとなり、原油にも売り圧力が波及しそうだとの見解を示した。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、以下の4項目を挙げている。
1) 天然ガス市場の動向
2) イラン核合意正常化を巡るイランと西側諸国等との協議状況等
3) リビア大統領選挙後の同国情勢
4) 米国金融緩和縮小及び利上げを巡る状況及び市場の観測