インド=2021年度のLPG需要は100万トン増加の見込み
インドオートLPG協会が3日、エルピーガス振興センターが主催したLPガス国際セミナーで講演し、インドにおける2021年のLPG需要は、前年と比べ100万トンの増加が見込まれると述べた。同協会によると、2020年度(2020年4月~2021年3月)の年間消費量は2,700万トンに達し、2021年度(2021年4月~2022年3月)は2,800万トンと試算されている。
2020年度におけるLPG消費量に対し、46%が国内の精製玉による供給、残りの54%が輸入玉で賄われる。需要増加に伴い、輸入基地や貯蔵設備の拡充が進められており、輸入能力は現在の年間1,400万トンから今後数年の間に2,100万に拡大すると同協会は推定している。
インドにおけるLPG需要をけん引しているのは、用途別割合で88~89%を占める家庭用だ。インドではLPGの普及促進を目的とし、2014年からLPGボンベの設置費用に対する補助金制度が推進され、これが消費量の急増をもたらした。インド政府は2016年4月から、プラダン・マントリ・ウジャワラ(PMUY)政策と称して、3年以内に5,000万の世帯にLPGボンベを設置するとの方針を掲げたが、この目標は前倒しで達成され、2021年1月末時点で8,300万世帯への設置が完了。さらに政府は今年2月、新たに1,000万世帯への設置を進める計画を発表した。インドオートLPG協会は、家庭向け需要は飽和しつつあり、増加のペースは鈍化すると指摘しながらも、需要の掘り起こしが進められている点を強調した。
さらに、同協会はインドにおけるオートガス向け需要も増加が期待できると言及した。現在インド国内にはオートガススタンドが1,400カ所設置されているが、東部ではまだ整備されていない地域が多く、今後の開発が見込まれている。同協会は低廉で安定的な供給が実現できているLPGの優位性を訴えつつ、バイオディーゼルなどクリーンな燃料へと移っていく、「将来への橋渡し役」として、二酸化炭素の排出量が少ないLPGには大きな期待が寄せられていることをアピールした。