IEA=2020年の二酸化炭素排出量、前年比5.8%減と発表
国際エネルギー機関(IEA)は2日、2020年の二酸化炭素排出量が全世界で20億トン減少(前年比5.8%減)したと発表。これは、欧州連合全体の排出量に相当する。主に、道路輸送や航空機など移動時に使われる石油使用量の減少に因るもので、新型コロナウィルスの感染防止のため各国で移動制限が出たことが要因に挙げられている。
年間の動向をみると、4月に最低値を記録したあとは増加に転じ、12月には前年比2%増加の6,000万トンと、前年同月の水準を上回った。これは、経済活動の回復によりエネルギー需要が押し上げられたためとみられる。また、各国のクリーンエネルギー推進政策が未だ不十分なことから、移動制限が解除された場合、再び二酸化炭素が増加する可能性が指摘されている。
国別では中国が唯一、前年を上回る0.8%増となった。
今後IEAは、5月18日にエネルギー部門が2050年までに二酸化炭素の排出ゼロに到達するための世界初となるロードマップを公開する予定。さらに、4月にはGlobal Energy Review 2021をリリースし、今年の世界のエネルギー需要と二酸化炭素排出量の新たな傾向を検証する。
【IEAのHPより】
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