海外=ARENAが再生可能水素に助成、モルディブに洋上太陽光プラント
豪州の再生可能エネルギー支援機関(ARENA)は8月23日、再生可能水素プロジェクトに9,500万豪州ドルを助成することを明らかにした。対象はガス会社BOCが手がけるクイーンズランド州の再生可能水素生産・補給プロジェクトで、BOCが保有するブルワー・アイランドのガスプラントに電気分解プラント(220キロワット=kW)と太陽光発電パネル(100kW)を設置するという。BOCは工業施設以外に水素ステーションに再生可能水素50キログラム(kg)/日を供給している。
一方、モルディブのリゾート島LUX South Ari Atollの沖合に洋上ソーラー発電プラント「ソーラーシー」が設置された。豪州のスイムソルが手がけた設備で、ルーフトップ・ソーラーパネルと合わせた発電能力は678キロワット(kW)に増強されたという。日照時はリゾート施設の電力を賄うことが可能で、エコツーリズムに役立てられると期待される。8月26日付の現地紙が報じた。
ITMパワーとオーステッド、エレメント・エナジーの再生可能水素プロジェクト「ギガスタック」が、英国政府から事業化調査(FS)用資金として50万ポンドの助成を獲得したという。「ギガスタック」は、ギガワット(GW)規模の電気分解水素製造プロセスを実証することを目指す。ITMが8月29日、発表した。
このほか、カナダ政府は8月30日、世界初の低騒音、低エミッションタンカーの開発を支援すると表明した。加政府はTeekay Shippingに3,000万カナダドルを助成することに合意したという。水中ノイズは、サザンレジデント・キラーホエールズ(SRKW)=シャチなど、海洋生物の行動、コミュニケーションを妨害し、ストレスの原因になると見られている。
ところで、クラリアントは9月2日、クロアチアのINAが提供した穀物(イネ科)を試験的に処理したと発表した。INAが2月に収穫し、クラリアントがドイツに保有する試験プラントで、エタノール、リグノセルロースに転換したという。INAはバイオリファイナリープロジェクト「GRACE」のメンバー。GRACEには、企業や大学など22の機関が参加し、欧州連合(EU)の基金から資金提供を受けている。