三菱パワー=火力の水素焚き転換計画に参加―英国で
三菱重工の子会社である三菱パワーは26日、英国で120万kW級の天然ガス焚き発電所の燃料を水素に転換するための技術検討と実行可能性調査(FS)を実施すると発表した。水素焚きへの転換を計画しているのは、同社製のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電の3基(機種:M701F形)で、同国北部の東海岸にある産業集積地「ハンバークラスター」の域内の電源として稼動中。発電所を保有するトライトン電力と協力し、体積比30%で水素の混焼を始め、最終的に水素専焼とする予定。 産業集積地の脱炭素の一環 ガス火力の水素燃料への転換は、ハンバークラスターの脱炭素化計画の一環。同計画は、域内の二酸化炭素(CO2)排出を2040年までに実質ゼロの達成を目指すもので、ノルウェーのエネルギー大手エクイノールなど脱炭素関連の12企業・機関が参加する。同企業・機関は昨年10月、計画に関連して英国政府の助成事業に応募し、このほど技術検討に対する補助金が採択されたという。脱炭素化の手段は、天然ガスから製造した水素の活用やCO2の回収・除去技術。 2026年以降に稼働へ ハンバークラスターの脱炭素計画の中で、主要な位置を占める事業がエクイノール社が主導する水素生成。同事業では、世界最大規模のCO2回収が想定されている水素製造設備で、天然ガス由来の水素(ブルー水素)を生産する予定。第1段階として近隣の工場群の燃料を水素に切り替え、トライトンが保有する上記の120万kW級の設備であるソルトエンド発電所を、30%の水素混焼に転換することで、年間で約90万トンのCO2排出を削減できる見通し。稼働予定は2026年以降としている。 |