エーザイ=40年に炭素中立を目指す、中期目標も設定
製薬大手のエーザイは11日、温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにする炭素中立(カーボンニュートラル)を2040年に達成するとの目標を発表した。グループ全社の長期目標として、燃料の燃焼や製品の製造工程で自社から直接排出する温室効果ガスのゼロを目指す。同時に、中期目標として2030年までにグループで使用する電力の全量を再生可能エネルギー由来に切り替えることも打ち出した。同社はこれまでも環境対策に取り組んできたが、「各国政府による脱炭素社会実現による気候変動問題解決に向けた取り組みや、世界的な社会課題解決の要請に応えるもの」として、中長期目標を新たに設定した。 温室効果ガスの算定と報告の国際的な基準であるGHGプロトコルの規定では、同社の長期目標が「スコープ1」、中期目標が「スコープ2」にあたり、供給網(サプライチェーン)の中では、いずれも「自社」分に相当する。このうちスコープ2に関して、グループ全社で使用するエネルギーのうち電力が65.3%(2019年度)を占めるという。エーザイは、目標達成のため省エネ設備の導入や更新、再生エネルギー導入の拡大を図ることに加え、営業用車両として電気自動車と燃料電池車への切り替えを進め、工場での自然エネルギー発電設備の導入なども手掛ける。供給網で自社を除く上流と下流を対象とするスコープ3については、仕入先企業との協力を強化する計画。 |
東京 : 電力チーム 戸塚 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.