伊藤忠=ノルウェーのネルと水素分野の業務協力で覚書を締結
伊藤忠商事は8日、ノルウェーのネルと水素分野での業務協力に関する覚書を締結したと発表した。両社は共同で水素関連事業の案件の発掘と推進を図る。将来的に生産、輸送、販売の各分野で関連企業との協業することも検討し、国際的な水素供給網の構築を目指す。伊藤忠とネルは業務協力で扱う各案件について、大阪ガスと共同で評価、検討するという。 伊藤忠によると、ネルはグリーン水素(再生可能エネルギー由来の水素)の生産に欠かせない水電解装置では、生産能力、装置規模、販売台数、売上高で世界最大規模の製造企業。特に装置は、世界最大規模の販売実績があり、2021年に水電解装置メーカーとして初の20MW級装置の受注を公表したという。加えて、現在実用化された水電解の主要な手法であるアルカリ型(*1)とPEM型(*2)の2種類のうち、ネルは両種を生産する。ノルウェーでのアルカリ型の工場の年間生産能力である500MWは世界最大。一方、PEM型では米コネチカット州に年間の生産能力50MWの生産工場を持つ。
(*1)アルカリ型:水酸化カリウムの強アルカリ溶液を使用して水を電気分解する手法(参照:新エネルギー・産業技術総合開発機構 資料) (*2)PEM型:プロトン(水素原子から電子を除去した水素イオン)を移動させることが出来る固体高分子膜(Polymer Electrolyte Membrane)を用いた水電解の手法。変動電力に対する柔軟性が高く、装置の小型化が比較的容易とされている(参照:資源エネルギー庁「グリーンイノベーション基金事業」2021年5月18日)
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