川崎汽=アンモニア燃料の供給事業化に参加
川崎汽船はこのほど、船舶向けアンモニア燃料の供給の実現に向けた国際的なコンソーシアム(共同事業体)に加わった。同事業体は2021年3月からシンガポールで船舶向けにアンモニア燃料供給の事業化に向けた検討を共同で開始し、1年間でアンモニアの調達候補地の特定、輸送船や貯蔵タンクといったインフラの調査、アンモニア燃料供給船の基本設計・費用見積りなどを実施してきた。事業体の13日の記者発表によると、今後、事業体の参加企業・機関を中心に、2020 年代後半からの船舶向けアンモニア燃料供給の実現を目指し、より具体的な検討と準備を進める計画。川崎汽などの新規加入企業・機関と協力し、アンモニアのサプライチェーン(供給網)の詳細な検討、ライフサイクルアセスメント(*)、船舶向けアンモニア燃料供給の安全性評価、オペレーション・ガイドライン(運用・運転指針)を策定に取り組む。 共同事業体を構成する企業と機関は、コンテナ船最大手のAPモラー・マースク(デンマーク)、香港の複合企業であるカラベルグループ傘下の船舶管理会社のフリート・マネジメント、海上掘削装置・船舶修繕のケッペル・オフショア・アンド・マリン(シンガポール)、海事産業の脱炭素を研究するマースク・マッキニー・モラーセンター・フォーゼロカーボンシッピング、住友商事、船舶の船体や機関などの安全性を検査する米国船級協会(ABS)。川崎汽は今年4月、共同事業体にシンガポール海事港湾庁(MPA)とともに新規に参加した。 共同事業体は5月6日、米国船級協会からアンモニア燃料供給船の設計基本承認を取得したという。
*: 商品やサービスの原料調達から製造、使用、廃棄、リサイクルといったライフサイクル全体を通した環境への負荷を定量的に評価する方法。Life Cycle Assessment (LCA)
図の出所: 川崎汽船 (共同事業体) 記者発表
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