東京海上日動=電力卸売価格の変動を補償する保険、販売開始
東京海上日動火災保険はこのほど、猛暑や厳冬など厳しい気象により電力卸売価格が高騰した時に小売電気事業者が受ける損害を補償する保険の発売を開始すると発表した。小売電気事業者が再生可能エネルギー由来の電力調達比率を高めると、悪天候などで再生可能エネルギー由来の電力調達量が低下する。こうした場合、電力卸売市場(JEPX)から代替電力を調達する必要が生じ、小売電気事業者は市場取引で価格高騰のリスクを負う。東京海上日動は24日の記者発表で、新保険の目的について「小売電気事業者の事業安定化を支援し、再エネの普及を促進することにより、脱炭素社会への移行に貢献していくことを目指す」としている。 新しい保険では、(1)天候が、あらかじめ設定した厳しい気象条件(猛暑や厳冬など)に該当し、(2)小売電気事業者が電力卸売市場から調達した電力の価格が通常想定される範囲を超えて高騰し、事前に設定した水準を超える-場合に小売り電気事業者が電力卸売市場での電力調達で支出した費用の追加分を補償する。補償内容は案件ごと個別に定める。 東京海上日動の説明によると、新保険の商品開発ではグループ企業である東京海上ディーアールと連携し、電力卸売価格と天候などのデータを解析して活用した。さらに、再保険の世界大手である独ミュンヘン再保険と提携し、日本の電力卸売価格の変動リスクを国際的に分散することが可能になったという。
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