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パキスタン=LNG輸入を巡る論争

2017/10/27 12:00

 パキスタンの液化天然ガス(LNG)の輸入が論争を呼んでいる。国営カタールガスと結んだ15年の長期契約が反対勢力の抵抗を引き起こし、パキスタンは苦境に陥る結果となっている。同国で2番目となる浮体式LNG輸入基地のプロジェクトが、両国間で論争の対象となっており、事態はパキスタンにとって一段と悪化している。

 

 20162月、パキスタンがカタールと契約を結んだ際、ブレント原油はバレル当たり35ドルだった。この契約により、パキスタンはブレント価格の13.3%でカタール産LNGを年間275万トン調達することになった。同年4月より供給が始まっており、パキスタンはカタールガスおよび他のトレーダーとも異なるレートで短期のターム契約にも合意した。

 

 一部の政治勢力は、162月時点で政府は、ブレント原油リンクよりずっと割安なJCCリンクを選択する余地があったと主張。カタールとの契約を見直す、または取りやめることとし、この長期契約に携わった関係者を罰するべきとの声が大きくなりつつある。仕向地条項に対する反対の声も挙がっている。

 

 カタールとの長期契約が議論を呼んでいる中、パキスタンでは別の問題が先週、勃発した。パキスタンLNGターミナル(PLTL)がパキスタン・ガスポート・コンソーシアム(PGPC)に対し、3,000万ドルの制裁金を課した。カシム港での2番目の浮体式LNG輸入基地の権限移譲を遅らせているというのだ。この論争は、同国司法省の任命による2人の仲裁人に委ねられている。この論争の影響もあり、もともと遅れ気味だったこのプロジェクトの進展がさらに遅れている。当社は7月に商業生産を始める予定だった。PGPCがこの基地をBWシンガポール社から借り受け、6月下旬にパキスタンに到着する予定だった。国営のPLTLは、必要な設備は用意していたものの、同基地のスケジュールがずれこんでいることから、PGPCにペナルティーが課されたと主張している。

 

 PGPCは、BWシンガポール社から浮体式LNG輸入基地を15年間借り受け、同基地は101日にカシム港に到着した。PLTLPGPCの論争が続く中で、パキスタンは101日以降、17万立方メートルの同基地に対する莫大な滞船料に直面している。パキスタン政府は111週目までに問題を解決し、月末までに業務委託を可能にしようとしている。商業運転は11月末にずれ込んでいる。

 

 パキスタンでは冬場の需要期が近づいている。北西部の州ではことのほか冬の寒さは厳しく、発電用の再気化天然ガスや天然ガスの需要が増加する。輸入基地の商業運転の遅れ、カタールとの長期契約のトラブルが続けば、パキスタンの苦悶が増すことになる。

 

 

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