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シンガポールLNG国際会議=FID増で業界ムードは前向き

2019/07/12 12:00

 液化天然ガス(LNG)のスポット価格の低迷がこのところ続いている。原油価格に連動している長期契約価格が現時点で百万英国熱量単位(MMBTU)当たり10~11ドルといわれるなか、スポット価格は北東アジア到着ベースで同5ドルを下回る。需要家は当然、相場の割安推移を歓迎している。しかし、取引業者であるトレーダーやLNG生産者にも市況を過度に嘆く様子は見られない。他の燃料に比べて割安な商況は、LNG市場の成長を一段と加速するとの見方が広がっていることが影響している。シンガポールで先月26~27日にLNG国際会議(CWC主催、WorldLNG&GasSeries,AsiaPacificSummit)が行われた。この会議で業界関係者に、今注目する市況材料を取材した。業界のムードが総じてポジティブな要因として「2019年は最終投資決定(FID)の数が過去10年間で最高の水準まで増える見通し」となっていることを挙げる関係者が多かった。FIDの数は2016~2017年に10年ぶりの水準まで落ち込んだという。またLNGのスポット取引が急速に拡大していることも好感材料となっているようだ。「(スポット取引の)マージンは縮小しているが、取引数量は大きく増えており薄利多売により利益が確保できる」(仏系大手取引業者)という。これまで取引市場で「脇役」を強いられてきたLNGトレーダーは、今が販売シェア拡大の好機と見ている。また、今後漸減すると見られていた日本や韓国のLNG需要が環境問題や原子力発電所の安全基準強化により、中長期的には増加に転じるとの見方が出てきたことも市況への楽観ムードを後押しする格好となっている。日本のLNG輸入は現在の年間8,600万トンが一時同8,000万トン程度まで減少する可能性が高いものの、2030年頃から回復し2040年までに9,000万トンへ拡大するとの観測が出ている。

シンガポール : 萩本 智史  +65-6345-9894
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