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BAXエナジー(伊)のマッサーロCEOに聞く-「日本市場に商機あり」

2019/07/16 12:50

 7月10日から3日間、「第14回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム」(主催:再生可能エネルギー協議会)と、「PV2019 太陽光発電展示会&フォーラム」(主催:フジサンケイ ビジネスアイ、シー・エヌ・ティ)がパシフィコ横浜で同時開催された。リム情報開発は12日、イタリアから初参加したBAXエナジーのシモーネ・マッサーロ最高経営責任者(CEO)に同社の取り組みや、日本市場参入への展望などについて聞いた。

 

 BAXエナジーは2010年、ドイツのベルリンに設立。翌年、本拠地をイタリア・シチリア州カターニャに移した。ポルトガルと南アフリカ共和国に営業所、豪州、アイルランド、インド、アラブ首長国連邦(UAE)に提携会社と販売代理店があり、総社員数は約300人という。

 BAXエナジーはこれまで、風力を主体とする発電所のデータと運転状況を可視化し、最適化するためのターンキー・ソリューションを開発してきた。同社が世界26カ国で監視対象とする再生可能エネルギーは現在、90ギガワット(GW)に達した。

 また、発電所の監視・制御センター管理のためのサービスや、エネルギー業界向けにIoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)アプリケーションも手がける。発電所でエラーが発生した場合、アラームで素早く知らせることで「故障の原因がすぐに分かり、5%の出力アップにもつながる」(マッサーロ氏)という。

 今回、日本市場でのビジネス展開を模索する理由として、マッサーロ氏は、日本における再エネビジネスの遅れを指摘した上で「商機あり」との見方を示した。「2010年に欧州で起こった再エネブームがいま、日本で起きようとしている。印象として日本における再エネビジネスは10年くらい遅れている。逆に言うと、まだ参入余地が残っているということだ」(同氏)。

 現時点で日本にBAXエナジーの販売代理店はないが、今回の訪日でビジネスパートナーを探す予定だ。発電量が低下した場合、出力が下がり、ブラックアウト(停電)を引き起こす事態が想定される。その際、政府や電力会社は停電を未然に防がなくてはならない。そのため、潜在顧客の対象は電力会社、IPP(独立系発電事業者)、政府(経済産業省など)が中心になるとしている。

 ところで、BAXエナジーのシステムを導入する場合、1つの風力パークで1台のコントローラーを設置すると、ハードウェアで96万円、ソフトウェアで1メガワット(MW)あたり14万円、これに設置費用約7万円を加え、トータルで117万円程度になるそうだ。日本市場への参入は初めてになるので、欧州で設定する価格より安く設定したという。

 マッサーロ氏は「弊社が提供するシステムのよさを分かってくれる日本の再エネ関係者が少ない。システムを理解してもらうための啓蒙が必要だ」と力を込めた。

 

 

◆メモ

【イタリア政府が制定した「国家エネルギー戦略」について】

 イタリアでは経済発展省の施策のもと、政府が制定した「国家エネルギー戦略 2017」で排気ガスを1990年の水準から少なくとも80%削減するという欧州連合(EU)の「エネルギー・ロードマッブ2050」に従い、2030年までの達成を目指している。

 具体的には、2030年までに最終的なエネルギー消費量を石油換算で計1,000万トン削減する。また、同年までにエネルギー消費量全体に占める再エネの割合を28%に増やす一方、電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合を55%まで増やす方針だ。

 また、エネルギー供給の安定性を強化するほか、エネルギー価格の格差を小さくする。持続可能エネルギーによる公共交通機関と環境にやさしい燃料を促進する。発電における石炭の使用を、2025年までに段階的に廃止するというのが、骨子となっている。

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