石油化学=11月25~29日:ブタジエン、米設備爆発の影響に関心強まる
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は前週に比べじり高に推移した。原料コスト指標となる原油やナフサの堅調さを受けた。その半面、アジアでは新規の製油所建設に伴いベンゼン供給も増加しており、上値の重さも意識されている。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は前週とほぼ同値圏での推移となった。ナフサ高などコストプッシュ要因はみられるものの、新規設備からの供給開始が上値を抑えた。
【オレフィン】
アジアのエチレン市場はまちまちな動きとなった。北東アジア着相場は前週からもち合い。市場参加者は2020年の契約交渉に注力する一方で、スポットの商談を控えている。東南アジア着相場は前週から弱含んだ。誘導品メーカーが採算性の低下を受けて減産しているほか、シェルはシンガポールに保有するナフサクラッカーを12月に再開する予定のため、品薄感が後退している。韓国積み相場は前週から上昇した。台湾積み品を対象とした販売入札に対する買い気の強さを映した。
アジアのプロピレン市場は、北東アジア着がもち合ったが、東南アジア着および韓国積みは弱含んだ。
北東アジア市場では、需要家の買い気が薄い一方、売り手も取引を急がないなか、商談が薄く、静かな商況が続いた。
韓国積みでは、メーカーにスポット玉の販売余力があるが、売りアイデアを引き下げてまで売ろうとしない。しかし、販売先である北東アジア着相場が軟調に推移するなか、相場が押し下げられた。
東南アジア市場では、スポット需要が見られないなか、需給緩和感がある。こうした状況下、売り物がある場合、北東アジア市場に転売せざるを得ない格好となった。
アジアのブタジエン相場は、いずれも反発した。
アジアのブタジエン市場では、週半ばまで域外品の売り物が多いうえ、日本品が余剰となり、相場が軟調に推移した。しかし、週後半に米国のTPCのブタジエン設備で爆発事故が発生したことにより、先行き域外品の供給が減るとの観測が出ており、相場が押し上げられた。