石油化学=12月2~6日:エチレン下落、供給の潤沢感強まる
【アロマティクス】
北東アジアの芳香族製品市況は堅調に推移した。石油輸出国機構(OPEC)が協調減産強化の動きをみせるなか、原油相場が一段高に推移するとの見方から、芳香族製品に対する買いの動きが強まった。一方で、供給面では中国の新規設備の立ち上げが間近とみられるなか、とくにパラキシレン(PX)に潤沢感があり、相場の上値は重い。このため、これまで原料コストに対し縮小していた格差が、わずかに拡大するにとどまっている。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は弱含んだ。誘導品の採算性が低下していることを背景に誘導品メーカーが減産すると同時に、一部石化メーカーは余剰となったエチレンを外販しており、エチレンの販売圧力が強まっている。このなか、週明けには760~780ドル程度で成約が伝えられた。東南アジアでは域内のスポット需要が弱く、東南アジア積みのカーゴを販売する場合は北東アジアに仕向ける必要がある。このため、東南アジア着相場の下げ幅は北東アジア着を上回り、週半ばには700ドルの成約が伝えられた。
アジアのプロピレン市場はいずれも弱含んだ。
北東アジア市場では、中国国内相場が軟調に推移するなか、需要家は先安観から輸入品に対する買い気が強くない。
韓国積みでは、来年の長期契約の交渉が中心となっているなか、スポット玉の取引が薄い商況となった。
東南アジア市場では、スポット需要が見られず、様子見ムードが強まった。
アジアのブタジエン相場は、いずれも強含んだ。
アジアのブタジエン市場では、中国国内相場が堅調に推移するなか、中国需要家の買い気が強まった。一方、米国TPCのブタジエン設備で発生した爆発事故による影響で域外品の流入が減少しており、供給タイト感が残っている。こうした状況下、相場が押し上げられた。