原油・コンデンセート=12月9~13日:サウジ、1月のアジア向け供給は契約通り
中東
サウジアラビア国営サウジアラムコは10日、中国のターム契約者に対し、1月積みの同国産中重質原油をノミネーション通り供給すると通知した。軽質油種を中心とする日本向けの供給も、買い手のノミネーションが概ね受け入れられたようだ。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国は6日に行われた会合で、協調減産の減産枠拡大に合意。サウジアラビアの減産枠は日量16万6,000バレル増の同48万8,000バレルに拡大していた。アジア向けの供給が削減されるか市場関係者の関心が集まっていたが、サウジアラビアは欧米向けの供給量を削減することで、追加減産枠を達成する公算が大きい。
アフリカ・欧州・ロシア・アメリカ
北海産原油のアジア向けの商いでは、クラーケン(Kraken)が10月にマレーシアに仕向けられていたが、その後、英BPが低硫黄船舶用燃料の生産のためのブレンド基材として持ち込んだことが判明した。BPはクラーケンの自社権益を持っており、オペレーターであるエンクウェスト(EnQuest)から購入した分と合わせマレーシアに持ち込んだようだ。クラーケンの品質は既報のとおり、豪州産ピレニーズと似通った品質でIMOによる硫黄分規制の恩恵を受ける。クラーケンは既報のとおり、APIが14度の重質油種で、硫黄分は0.5%。
南方
2月積み豪州産重質原油の商いでは、豪サントスが6日に締め切った入札で、5~9日積みのバンゴー40万バレルをDTDブレント指標に対して18ドル台後半のプレミアムで販売した。これは、シンガポールの軽油価格を大きく上回る水準。IMO規制強化を2020年1月に控え、重油とのブレンド用に軽油の代替として豪州産重質原油の需要が増加。このため、2019年12月積みまでは、豪州産重質原油は軽油価格を下回っていた。しかし、1月積み以降は、豪州産重質原油が軽油価格を上回る水準でも成約に至っている。この背景として「船舶用低硫黄重油は旺盛な需要を背景に相場が上昇しており、豪州産重質原油のコスト上昇分を十分吸収できる」(シンガポールのトレーダー)と指摘されている。