電力=1月27~31日:週初の寒波で東は前週から小幅高、西は暖冬の影響強く軟調
1月27~31日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、週初に寒波が押し寄せた東日本が前週比で底上げの動きとなった一方、西日本は引き続き高めの気温が弱材料となり、前週比で下落した。このため、前週に縮小した東西価格差は、再び拡大傾向となった。では、記録的な暖冬で降雪にも恵まれず、電力の余剰感が強まり、週を通じてベース価格は8円台で推移。一方、西日本は週前半が7円台、天気が悪くなり太陽光発電が減少した週後半は8円台で推移し、東西価格差も急速に縮小した。
特に北海道は荒れた天気の日が多い週となったが、25日に北海道電力の伊達石油火力2号機(定格出力35万kW)がボイラー関連設備の不具合で停止。再開のめどが立たない日が続き、北海道エリアは週を通じて20円台の高値を付ける日が続いた。一方、27日から28日にかけて最高気温が10度を割り込んだ東京エリアは、高値で13円台を付けるに留まり、市場関係者の多くが想定した価格よりも割安な水準だった。その後の東京エリアは、一転して季節外れの高温となり、最高気温が17~18度まで上昇し、価格も上値の重い展開が続いた。対照的に、西日本は気温の変化に乏しく、週を通じて高めの気温で推移。価格も28~30日受渡ではベースで6円台に留まり、27日には東西価格差が4円以上も乖離した。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は12.40円、東北は8.62円、東京は8.72円、中部から四国の5エリアは7.12円、九州は6.85円だった。曜日を合わせた前年(1月28日~2月1日)の平均価格は、北海道が18.75円、東北と東京が12.02円、中部から四国の5エリアが9.11円、九州が9.09円だった。東日本の割安さが際立つ格好だ。
JEPXの先渡市場では約定がなかった。
東京商品取引所の電力先物市場では、日中取引(8時45分~15時15分)の東エリアのベースロード2020年2月限で27日~29日の3日間、約定があった。27日と28日はいずれも価格が9.25円で10枚、29日は9.15円で10枚だった。買い得感のある価格との声が多く聞かれたが、気象庁の予報では2月も暖冬が続く見通しとなっているため、売り手の中には今後の下落を想定し、少しでも高く売れるときに売っておきたという心理が働いた可能性もありそう。また、立会外取引(ブロック取引)では、30日に約定があった。東エリアの日中ロードの2020年4月限から2021年3月限の12カ月で各月50枚、計600枚の約定だった。約定価格は10.90 円だった。
冬の最需要期である2月に入るが、週半ば以降に全国的に平年を下回る気温が予想されていることもあり、若干底上げの動きが進むと見られる。ただ、週を通じて天気は比較的晴れ間に恵まれ太陽光発電が期待できることや、東京エリアでは27日~28日の寒波にも価格がそれほど反応しなかったため、上値は限定的となりそうだ。 |
受渡日 |
13日 |
14日 |
15日 |
16日 |
17日 |
システム |
7.29 |
8.06 |
8.01 |
8.54 |
8.86 |
約定量 |
825,645 |
902,649 |
923,741 |
909,410 |
909,902 |
注:単位は円/kWh |
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