アジア石油製品=2月3~7日:0.5%S重油は下落、海上物流の停滞で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合った。3月積みの成約が具現化している。台湾中油(CPC)は6日、入札を通して3月積みの92RONガソリンMR船型1カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.50ドルを上回るプレミアムと伝えられた。ただ、入札参加者の大方の応札価格はFOBベースで同市況対比1.00ドルを下回るプレミアムだったようだ。一方、中国や韓国からは依然として3月積みのスポット売りが確認されていない。
ナフサ 新型肺炎拡大の影響を背景に、中国では山東省の独立系製油所の稼働率が30~50%程度引き下げられているもよう。シノペックに加え、中国製油所の原油処理量が削減されていることで、供給引き締まり感から精製マージンは改善するとみられる。物流の停滞で海上運賃も安くなっており、「じきに供給も回復する」とみる向きもいる。一方、需要面では、アジアのナフサクラッカーが定修期を迎えること、中国でガソリンやディーゼル需要が落ち込んでいること、アジア全体で石化需要も弱含むとみられることから、基材としてのナフサ需要後退の影響が大きく、先行き市況も軟調との見方が大勢だ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。3月積みのスポット取引は依然として聞かれない。中国で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎を背景に、プレーヤー筋は様子見の姿勢を強めている。韓国石油1社は、製油所の定修を背景に、3月積みのスポット販売を見送る可能性がありそうだ。台湾フォルモサ石油化学(FPCC)も製油所の定修を背景に、3月積みでは中間留分のスポット販売を見送る。一方、中国は内需減を受け、輸出を増やす傾向にある。中国石油1社が4日、2月末華南積みとして0.001%S軽油MR船型の販売に乗り出している。現段階では、成約が確認されていない。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。アジアを中心とした新型肺炎拡大を背景に、海上物流の停滞によって市場関係者のリスクオフの動きから買い気が後退していることを受けた。中国向けVLSFOの輸出も減少している。日本のJXTGエネルギーやコスモ石油も中国向けVLSFO販売に乗り出したが、買い手がつかないもよう。アジアの主要市場であるシンガポールでは、昨年末から国際海事機関(IMO)による船舶燃料への硫黄分規制の強化に向けて積み上がっていたVLSFOの在庫が消化しきれない。
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