原油・コンデンセート=3月9~13日:ADNOCが先決めOSPを公表へ
中東原油/コンデンセート アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が、近く3月積みと4月積みのOSPを公表すると明らかにした。石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産が3月末で終了し、サウジアラビアが4月から産油量を日量1,230万バレルに増やすことを受け、ADNOCも4月から同400万バレル以上に生産量を引き上げると表明。今後価格競争の激化が見込まれることから、ADNOCは先決めのOSPを設定することで価格の透明性をあげ、市場シェアを拡大する狙いがあるとみられる。新OSPがドバイ市況リンクになるか、サウジアラビアなどと同様にドバイ/オマーンの市況平均値をベースとするかは現時点で明らかになっていない。ADNOCは当初、2020年内に上場するマーバン先物をベースとした新OSPを設定すると発表していた。3月積み、4月積みについては、従来の後決めのOSPは開示されない公算が大きい。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 5月積み東シベリア産エスポの市況連動相場は反発した。露スルグトネフテガスは10日に締め切った5月積みエスポの販売入札で、対象となる8カーゴを販売。平均落札価格は、ドバイ市況に対して30~80セントのプレミアム。このうち4カーゴを欧州のガンボーが購入。残るカーゴの買い手として中国の振華石油(Zhenhua)や独立系石油会社の名前が挙げられた。今回落札されたカーゴのうち、月末積みのものはドバイ市況に対して1ドル前後のプレミアムだったとの情報も寄せられた。
南方原油/コンデンセート 4月積み豪州産NWSCの商いでは、インドネシア国営プルタミナが、6日に締め切った同国石化TPPI向けの5月着コンデンセートの買付入札で、1カーゴを落札した。落札者はトレーダーで、このトレーダーは豪ウッドサイドに割り当てられていた4月26~30日積みカーゴを購入し、プルタミナに転売したと見られる。一方、期先5月積みNWSCについて、一部カーゴに金属分の含有率が高くなる可能性が指摘されている。これはパイプライン内部のメンテナンスや清掃などを行うピギング(pigging)を実施するため。水銀含有率が、通常の1ppmから最大で100ppmまで上がる可能性がある。石化会社ではこうした品質のコンデンセートを処理できないため、製油所だけが購入可能との見方が寄せられた。 |