アジア石油製品=3月16~20日:92RONガソリンは急落、需要低迷で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は急落した。需要が低迷している。新型肺炎の感染が世界中で拡大している中、アジアだけではなく、欧米地域でもガソリンの需要が減少している。中国石油1社は今週、4月19~20日華南積みとして92RONガソリンMR船型2カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.00ドルと1.30ドルのディスカウントと伝えられた。韓国石油1社が4月積みの販売を進めているものの、いまのところ成約に至っていない。買い手が乏しいため、同社は一部売り物の取り消しも検討しているようだ。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、5月前半着のスポット調達が浮上した。韓国のLG化学がカーゴ到着45日前の評価で日本市況に対し4.50ドルのプレミアムで調達したと伝えられる。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)はオープンスペック・ナフサ10万トンを購入。価格はカーゴ到着45日前の評価で日本市況に対し3ドルのプレミアム。また、大韓油化工業(KPIC)も、スペックは明らかではないものの、カーゴ到着45日前評価で日本市況に対し3ドルのプレミアムで購入したもよう。さらに、旭化成は3月後半着の価格評価で日本市況に対し5ドルのプレミアムで調達したようだ。なお、3月に域外からアジアに持ち込まれるナフサの総量は590万~600万トンと、2月の510万トンから増加する見通し。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。需要が振るわない中、フレートも上昇を続けている。新型肺炎の感染が拡大している影響で、アジア品の主要な仕向け先である豪州でも軽油の需要が減少しているようだ。また、フレート高を背景に、アジアから域外向けのアービトラージも開きにくい状況。先物市況の期先高を好感し、在庫積み増しの買いが見られる程度。その中、4月韓国積みの0.001%S軽油MR船型がFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し1.20ドルのディスカウントで成約されたとの情報が寄せられた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。需要不振を受けた。このところの株価や原油価格の大幅続落により、景気後退懸念が強まっている。4月韓国積み0.5%S重油が、シンガポール市況(0.001%S軽油)に対し70~75ドルのディスカウントで成約された。タイのPTTグローバルケミカル(PTTGC)が実施した4月中旬積み0.5%S重油5万5,000トンを販売した。価格は、シンガポール市況(0.5%S重油)に対し1桁台のディスカウント。一方、税還付措置政策によって、中国国営のシノペック、ペトロチャイナ、中国海洋石油(CNOOC)などが0.5%S重油の輸出を増やす見通し。需給緩和感が強まり、韓国品0.5%S重油市況にとっても重石となりそうだ。
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