アジア石油製品=6月22~26日:北東アジア積みガソリンは弱含み、割高感から買い後退
ガソリン 北東アジア積みガソリンの市況連動相場は弱含んだ。これまでの相場に対する割高感から、買いが後退している。中国海洋石油(CNOOC)は22日、入札を通して7月20~21日華南積みの92RONガソリンMR船型2カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し25セント近辺のプレミアムと伝えられた。CNOOCは25日、7月30~31日積みとして92RONガソリンMR船型の販売入札も開示した。応札の締め切りは26日。一方、ベトナムやインドネシアなどの東南アジアからは新たな買いが聞かれていない。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、8月着品の調達が相次いでいる。北東アジアのトレーダー筋は、「トレーダーがリスクヘッジで最小数量での取引へシフトしているため、需要家が必要量確保のためスポット調達を増やしている」と指摘している。アジアの石化市場では、エチレン市況が堅調に推移している。背景には、米国からのアービトラージ品の流入が減少し、アジア域内の供給が引き締まっていることが一因としてある。ただ、7月後半アジア着ベースでは再び米国からの余剰玉は増加するとみられている。供給余剰による市況が軟化し、エチレン基材としてのナフサ相場にも重石となる可能性が示唆されている。
中間留分 韓国積み0.001%S軽油(SR船型)の市況連動相場は上昇。需要拡大観測を受けた。割安な韓国からの輸入玉を物色する動きが出ているようだ。こうした動きを好感し、韓国の売り手は、売りアイデアを、FOBベースでシンガポール市況に対し1.50ドル程度のプレミアムに引き上げている。背景には、日本の陸上スポット市況について先高観測が強まっていることが挙げられる。JXTGエネルギー、出光興産は25日以降出荷分に適用する陸上の特約店向け仕切り価格を、前日からいずれも1,000円引き上げている。また、ここ数日の堅調な原油市況を背景に、翌週7月2日以降の仕切り価格も2,000円程度の引き上げとなる可能性が指摘されている。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。韓国石油会社は、精製マージンの改善によって製油所の減産幅を縮小している。現代オイルバンクは製油所の稼働率を90%近くにまで引き上げているもよう。SKエナジーは、残渣油脱硫(VRDS)装置の定修を6月末に終え、7月からは稼働を引き上げる予定。VLSFOの基材となる0.5%S重油の供給も増加する見通し。一方で、「原油相場がまた上昇してきており、石油製品のクラックマージンが再び悪化すれば、製油所の稼働も引き下げる局面もありそう」(韓国石油会社)という。
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