電力=6月22~26日:引き続き軟調、東が低需要・西で潤沢な太陽光
卸電力市場は、引き続き軟調だった。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(6月22~26日受渡)の平均でみると、前の週(15~19日受渡)と比べ東日本が1kWh当たり(以下同)0.23円安(3.9%低下)の5.84円、西日本が0.56円安(10.5%低下)の4.78円だった。主に、東日本では、平年より低い気温を背景に需要が伸び悩み、西日本は梅雨時にもかかわらず日照に恵まれ、太陽光発電からの高水準の供給が続き、それぞれ需給が緩みがちなった可能性が高い。東日本と西日本の中心値の格差は0.86円と、前の週の0.53円から広がった。
気温は東日本では、比較的過ごしやすい日が多かった。東京の予想最高気温(前日発表)は、22~25日の間、最低が23度、最高でも26度だった。最後の26日は、30度の予想だったが、単発的だったため、冷房需要が膨らみづらかったとみられる。西日本は、大阪や名古屋、福岡などで30度以上の水準に達する日が多かった。ただ、連日、雲交じりだった東日本とは対照的に、西日本は比較的晴れ間に恵まれ、太陽光発電のからの供給が多かったとみられる。加えて、西日本では火力からの供給も若干、厚めになった可能性もある。新型コロナウイルスの影響で経済活動が低迷しているあおりもあり、発電所の燃料は計画どおりには消費が進みにくい状況。発電業者にとっては、在庫水準が許容限度に接近すれば、価格である程度犠牲を払っても、燃料消費を優先する必要性が高まる。
日本卸電力取引所(JEPX)の1日前市場では、最大市場の東京エリアの平日平均が5.66円と、前の週より0.22円低下した。気候条件の違いや本州との連系線の制約により独自の動きになりやすい北海道エリアは、同0.97円安の5.54円。両域間の価格差は、東京高・北海道安の0.12円。これに対し、前の週は東京安・北海道高の0.63円だった。北海道の中心都市である札幌は前週、青空のみえる日もあり、東京エリアと異なり、太陽光発電から比較的恵まれた量の供給があったと考えられる。東北エリアの平日平均は東京より0.02円低い5.64円と、東京エリアとほぼ一体的な動き。 西日本で最も大きな市場である関西エリアの平日平均は4.82円と、前の週と比べ0.52円下げた。価格が他地域と比べ下振れすることの多い九州エリアは、同0.74円安の4.60円。両域間の価格差は0.22円。前の週は同水準で価格差がなかった。一方、東日本の3エリアでは、夜間平均が小高くなったが、関西と九州の夜間平均が、ピーク時を含む昼間と同様に値下がりした。太陽光以外の発電設備の電気も余りがちとなったもよう。
JEPXのスポット取引(1日前市場)は22日受渡から26日受渡で、システムプライス・24時間の平均が、前の週と比較して0.40円安(7.2%低下)の5.19円だった。同期間の1日平均の約定量は約8億7,600万kWと、前の週の8億7,800万kWとほぼ同水準。
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