LNG=11月16~20:北東アジア着相場が下落、供給多くセンチメント弱い
DES北東アジアのスポット市場は続落した。商いの中心となる1月前半着の相場は6.30~6.60ドルと先週末から15セント下落した。市場のセンチメントが弱気に振れた。欧系トレーダーやメジャーなど一部の売り手は、1月前半の唱えを6.60ドルに切り下げた。マレーシアのビンツルプロジェクト(年産2,800万トン)の供給が回復したとの情報が流れ始めた先週後半以降、韓国や中国企業など多くの需要家が買付けを手控え始めた。足元で買付けに動きそうな買い手は東北電力やJERAなどごくわずかに限られる。需要家の大半は、インドネシアやサハリン出しに加え豪州のプロジェクト出しの供給余力が潤沢なことから、相場を先安と捉えているようだ。豪州出しでは新たに、豪ダーウィンLNGがダーウィンプロジェクト(年産320万トン)出しの1月前半積み1カーゴの販売入札の開示準備を進めているとの情報が聞かれた。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 複数のインドの需要家が1月着カーゴの購入に乗り出した。1月前半着については2社が買付けに動いた。グジャラット州石油会社(GSPC)が1月5~9日着を対象に買付け入札を開示した。応札の締め切りは20日で、応札者には固定価格に加え北東アジア着のスポット市況に連動した価格での応札を求めた。国営インド石油(IOC)も1月5日にダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)へ到着するカーゴを対象とした買付け入札を開示した。応札の有効期限は24日。1月後半着では、国営ガス公社(GAIL)が19日締めのスワップ取引を対象とした入札を通し、1月19~24日着の買付けを進めていた。
国営LNGクロアチアは、2021年1月に稼働を始める年間受入能力が200万トンのカーク基地(Krk LNG terminal)向けの買付け入札を、26日に締め切る。1月25~30日、3月2~7日、5月16~21日、7月17~22日、9月17~22日に到着する計5カーゴが対象。カーク基地では、LNGクロアチアが欧ゴーラーLNGから傭船した「ゴーラーバイキング」号(容量13万8,830立方メートル)が浮体式貯蔵再気化ガス装置(FSRU)として使用されることになっている。クロアチアへ輸入されたLNGは、EUのパイプライン網に接続されるクロアチア国内のガスパイプライン向けに供給される計画で、国内外の需要に充当される見込み。 |
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