電力=11月16~20日:東西ともに前週比で下落、高めの気温で
11月16~20日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに下落した。高めの気温動向が続いたことで空調需要が鈍化し、価格にも波及した。特に、東西ともに夜間主導で下げたが、定期点検などで停止していた火力発電の再開が徐々に増えている影響も大きかったと見られる。なお、3月16日から定期点検に入った九州電力の川内原子力発電所1号機(定格出力89万kW、PWR型、鹿児島県薩摩川内市)が17日に再稼働し、19日から発電を再開した。同機はテロ対策工事も終え、12月中旬に通常運転に復帰する予定。
週を通じた実勢高値は、16日受渡の西日本で付けた15.61円、実勢安値は18日受渡の西日本で付けた3.70円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は前週比2.24円安の5.61円、東北と東京は同0.21円安の5.39円、中部、北陸、関西、中国、四国は同0.69円安の6.76円、九州は同0.54円安の6.74円だった。
11月16~20日の9エリアの電力需要は112億4,505万9,000kWhとなり、11月9~13日の118億1,777万4,000kWhから4.8%減少した。なお、曜日を合わせた前年の11月18~22日は120億2,982万6,000kWhで、前年比では6.5%の減少となった。
JEPXの先渡市場では約定がなかった。
11月16~20日の東京商品取引所の電力先物市場の約定結果は下記表のとおり。
11月16~20日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
11月23日の週は、東日本が週後半に向けて右肩上がりで推移することが予想される一方、西日本は上値の重い展開となりそう。東日本では、徐々に冬の気温に向かう見通しのほか、曇天の日も多くなる予報で、価格は底上げ傾向になると見られる。一方、西日本は、引き続き広い地域で20度前後の気温が見込まれるほか、9月18日に定期点検に入った九州電力の玄海原発3号機(定格出力118万kW)も21日に再稼働し、23日に発電を再開する予定。このため、西日本は需給緩和感が強まる見通しとなり、価格も上値が抑制されると見られる。 |