アジア石油製品=2月8~12日:韓国積み0.5%S重油は上伸、シンガポールの供給難で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は中国積み92RONと台湾積み93RONが上伸。需要増の見通しが、相場を押し上げた。東南アジアの需要が増えつつあるため、トレーダー筋の買い気が強まっている。大連西太平洋石油化工(WEPEC)が9日、3月末大連積みの92RONガソリンMR船型をスポット販売したとの情報が寄せられた。
ナフサ アジアのオープンスペック・ナフサの固定価格は上伸。日本勢による3月後半着玉の買付けが続いている。三井化学は、入札を通じて千葉着パラフィニックナフサ(パラフィン比率78%)を購入。さらに、同社は千葉着および大阪着それぞれ1カーゴの買付け入札を実施している。一方、欧米では、ガソリンやナフサ市況が堅調で、同地域からアジア向け供給余力が縮小し、アービトラージは閉じている。ただ、「アジア着ナフサのプレミアムが上昇して採算性が向上すれば、再びアービトラージも開くだろう」とアジアの市場関係者はいう。その時期については、「日本勢の決算期が終わった後の4月着品市場が始まるころでは」(同)との見方が聞かれた。
中間留分 中国積み0.005%S軽油(MR船型)の市況連動相場は小幅高。足元の市況に対する値ごろ感から、買い気が強まっている。大連西太平洋石油化工(WEPEC)は9日、入札を通して3月15~17日積みの0.005%S軽油MR船型を販売している。一方、韓国積みではベトナム向けに需要が見られるものの、需要家は買値を抑えているようだ。これに対し、マレーシア向けの0.05%S軽油の需要が減少するとの指摘もある。マレーシアは、4月1日から軽油の硫黄分規制を既存の0.05%Sから0.001%Sへ強化する予定のようだ。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。アジアの主要市場であるシンガポールで0.5%S重油市況が供給難によって強含んでおり、韓国積み0.5%S重油への引き合いも高まっていることを受けた。一方、各社のバンカー向けVLSFO供給は回復基調にあるものの、低硫黄重油の生産体制については変わりないもよう。台湾中油(CPC)は3月積み0.3%S重油4万トンの販売入札について、9日に応札の締め切りおよび応札価格の有効期限を迎えた。今のところ結果は明らかとなっていない。ただ、北東アジアの市場関係者は「台湾積み0.3%S重油相場は、シンガポール市況(0.5%S)対比で前週よりも上がっている」と伝えている。
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