アジア石油製品=2月22~26日:韓国積み軽油は供給増で軟調、ジェットはクラック縮小
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、中国から3月積みガソリンや軽油などの石油製品の輸出が増え、フレートが上昇しているとの指摘が聞かれる。中国では23日、中国海洋石油(CNOOC)が3月華南積みとして92RONガソリン1万~1万5,000トンの販売に動いていた。需給面では、アジアの最大輸入国であるインドネシアなどからは新たな買いが見られない。設備面では、韓国S-オイルのオンサン製油所で今週、残油流動接触分解装置(RFCC)がトラブルにより稼働を停止しているようだが、再開時期などの詳細は明らかではない。ベトナムの輸入業者が3月積みガソリンの買いに出ていると伝えられるものの、詳細は明らかではない。ベトナムでは11日、ニソン製油所(日量20万バレル)が停電事故より稼働を停止しているのは既報のとおり。市場関係者によると、同製油所はすでに再稼働しているという。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、日本着ナフサのプレミアムに反発がみられた。米国の寒波による影響でガソリンやエチレンの市況が供給ひっ迫から高騰しているようだ。北東アジアの需要家筋は、「米国ガソリン先物相場も夏場の需要期並に上昇しており、ガソリン基材となるナフサのアジア市況にも押し上げ要因となっている」という。また、このナフサの上昇は「日本着ナフサのプレミアムが反発しているため、中東積みターム水準にも上昇圧力が加わる可能性がある」(中東市場関係者)と、中東市況への影響も指摘されている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の売り物が増加している。ジェット燃料の精製マージンが低迷しているため、北東アジアの石油会社は軽油の生産へシフトしている。また、今週入り後、フレートが急騰していることもあり、日本および韓国積みの相場は下落した。一方、台湾積みについては堅調で推移。周辺の海上取引用の需要が、台湾積みの相場を押し上げた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況は変わらず。日本では、ENEOSの根岸製油所や千葉製油所からも法定点検や定修を背景としてVLSFOの供給が滞っており、VLSFOの基材となる0.5%S重油の市況にも下支え要因となりそうだ。一方、気温上昇によって国内の電力向け液化天然ガス(LNG)や重油のスポット需要も縮小しており、日本着0.3%S重油相場には下押し圧力が増しつつある。韓国のSオイルは、残油流動接触分解装置(RFCC)の不具合によって同装置を停止しているもよう。再開時期については今のところ分かっていない。ただ、同社は重油の供給についてはむしろ増加基調にあるようだ。
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