電力=2月22~26日:軟調、高めの気温と晴天で需給緩和感が拡大
2月22~26日受渡の電力スポット価格24時間は、東西ともに一段安。前週に比べ高めの気温で推移したほか、天気に恵まれる日も多くなったため、太陽光発電も潤沢となり、需給緩和感が強まった。特に西日本の日中時間帯(8時~16時)では、5円未満で推移する日が続くなど上値の重さが目立った。 13日の東北地震の影響で停止した設備のうち、相馬共同エネルギーパークの相馬石炭・バイオマス発電所(11万2,000kW)が21日に再開した。また、相馬共同火力の新地石炭火力1号機(100万kW)は3月1日に、JERAの常陸那珂共同火力1号機(65万kW、石炭)が3月8日にそれぞれ再開する予定となった。26日時点で、引き続き東北電力の仙台LNG火力4号機(46万8,000kW)、相馬共同火力の新地石炭火力2号機(100万kW)、東北電の原町石炭火力1号機(100万kW)と同2号機(同)がいずれも停止したたまで、再開も未定となっている。
週を通じた実勢高値は、26日受渡の西日本で付けた15.10円、実勢安値は0.01円となり、22日に西日本6エリアで、23日と24日に九州で、25日に北海道と東北でそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比2.60円安の8.35円、東北が同2.83円安の8.16円、東京が同2.51円安の8.48円、中部が同2.28円安の6.12円、北陸、関西、中国、四国が同2.37円安の6.12円、九州が2.49円安の5.81円だった。
2月22~26日の9エリアの電力需要は128億4,556万6,000kWhとなり、2月15~19日の139億9,325万9,000kWhから8.2%減少した。なお、曜日を合わせた前年の2月24~28日の需要実績は129億6,347万8,000kWhで、前年からの減少率は0.9%となった。
JEPXの先渡市場では、24日に1件の約定があった。関西エリアの2月27日~3月5日受渡で、昼間型(平日8時~18時受渡)が4.50円、数量は1MWだった。一部の市場関係者からは「数量が少ないとはいえ、かなり割安な水準」(新電力の市場取引担当者)との声が聞かれた。
2月22~26日の東京商品取引所(TOCOM)の電力先物市場の約定結果は下記表のとおり。
2月22~26日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
3月1日の週は、週を通じて高めの気温で推移する予報で、価格も上値の重い展開が続く見通し。天気は変わりやすい予報のため、太陽光の増減で昼間価格は変動が大きくなりそうだ。なお、2月27日から定期点検に入る設備が多くなる予定で、予備力は今後、低下傾向となる。このため、新たな設備トラブルなどが発生した場合、思わぬ高値をつける可能性はある。 |