アジア石油製品=3月1~5日:ナフサの買い気旺盛、エチレン高騰で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。月初のため、スポットの取引は低迷。北東アジアの石油会社は4月積みの輸出計画に取り組んでおり、いまのところスポットの売りは聞かれない。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)の麦寮製油所(日量54万バレル)では2月中旬、残油流動接触分解装置(日量8万4,000バレル)が4月下旬までの予定で定修に入っている。このため、FPCCは4月積みガソリンのスポット輸出余力が限られている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、中国や韓国勢による4月後半着ナフサの買い気が旺盛なようだ。北東アジアのトレーダー筋によると、「中国や韓国勢による買付け入札が多くみられ、成約水準は日本市況に対し10ドル台半ばのプレミアムとなっている」という。また、石化市場では、エチレン価格が1,100ドル台後半まで上昇し続けており、エチレンのナフサに対するクラックマージンは600ドル前後まで拡大している。北東アジアの石化メーカーによると、「まだ米国エチレン市況の高騰の影響によって、北東アジアのエチレン価格も上昇する可能性がある」とみられている。エチレン基材となるナフサの相場にもさらなる押し上げ材料となりそうだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。4月積みの売り物が想定よりも少ないとあって、売り物を有する各社の売買唱えは上昇傾向にある。背景にはやはり中国積みの売り物の少なさがあり、もともと生産調整で少量だった韓国、日本積みを有する業者の唱えも切り上がっている。日本積みの売りを検討する業者からであれば、シンガポール市況に対して50セント程度のディスカウントの売り気が伝えられた。ただ、日本積みも民族系最大手元売りが製油所の定期修理と計画外停止を抱えているとあって、売り物は多くない見通しだ。これらの要因から相場は底堅く推移している。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。日本からは販売入札の動きがみられる。コスモ石油は3月初め積みボトム油および残渣油の販売入札を実施している。出光興産千葉製油所の二次装置が稼働再開したものの、同装置が稼働停止していた影響でENEOSの根岸製油所や千葉製油所はVLSFOのスポット供給余力がまだない。一方、コスモ石油は数量が限られるものの、スポット供給の枠があることを受けたようだ。一方、台湾中油(CPC)は入札を通じて、3月積み0.5%S重油4万トンおよびボトム油を販売に至ったと伝えられる。
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