LNG=5月10~14日:北東アジア着相場は上昇、豪州などで生産障害が発生
DES北東アジア相場は強含んだ。商いの中心となる6月後半着が10.20~10.50ドルと先週末から65セント上昇した。北西豪州大陸棚プロジェクト(NWS、年産1,630万トン)に続き、インドネシアのタングープロジェクト(同760万トン)、プレリュードプロジェクト(同360万トン)でも生産障害が発生したことで、供給懸念が強まった。夏場に向けた在庫積み増しの需要が旺盛となったことから、買い手が唱えを切り上げざるを得なくなった。マレーシア国営ペトロナスが12日に締め切ったマレーシアのビンツルプロジェクト(年産2,800万トン)出しを対象とした入札は、7月1~7日着が10.00ドル台半ばの水準で落札された。韓国の高炉大手ポスコが個別交渉で6月20~25日着1カーゴを10.00ドル台前半の水準で買い付けた。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 欧アルセロール・ミタル日鉄(旧エサール製鉄)は14日、インド着ベースの長期契約の買付け入札を締め切った。対象は2022年3月、6月、7月、9月および、2023年3月、5月、8月、10月着計8カーゴ。アルセロール・ミタルは昨年11月に2024~2026年着計27~30カーゴを対象とした買付け入札を実施したが、購入を見送っていた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 仏モントワール基地(年間受入能力880万トン)は、受入設備のパイプライン等で障害が発生した影響で、4月22日にナイジェリアのボニー島プロジェクト(年産2,220万トン)出しの1カーゴが荷揚げされて以来、受入れが途絶えた。同じくボニー島プロジェクト出しを積載した標準型「LNGオンド」号(容量14万8,300立方メートル)は13日、同基地に到着しているものの、沖合で荷揚げ開始に向け待機を余儀なくさた。このなかポートフォリオプレーヤーは、5月後半着1カーゴをTTFに対して20セントのディスカウントで販売した。このポートフォリオプレーヤーは、モントワール基地着ベースで当該カーゴの販売を決めていたものの、同基地着ベースで供給できなくなったことから急遽、他の北西欧州向けに仕向け地を変更して転売した。モントワール基地から仕向け地変更されたカーゴは、主に蘭ゲート基地(同890万トン)やスペインへ仕向けられた。
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