石油化学=5月10~14日:プロピレン堅調、設備の定修や不具合で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は高値圏で推移した。欧米のベンゼン相場高に連動した。ただ、週後半に原油安を受け、米国ベンゼン相場が下がったことから、韓国積み相場が一段切り下がって取引を終えた。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は小幅なレンジ内での推移となった。設備の不具合や定修により品薄感はあるものの、PTAの採算性が高くないため需要に強さはみられず、上値が重い展開となっている。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は、品薄感から強含んだ。エチレン設備の不具合や定修が主要因。加えて、米国からアジア向けのアービトラージが依然として閉じているほか、欧州では品薄感が強く、域外品の供給も限られている。6月着の商談でも供給が限られた状態が続くとみられるなか、当週の取引では成約が1,130~1,140で伝えられた。
アジアのプロピレン相場はいずれも強含んだ。
北東アジア市場では、日韓の設備に定修と不具合が多いなか、供給に不足感がある。こうした状況下、日韓向けの需要が強く、相場が押し上げられた。ただし、中国需要家は6月の国内品供給に潤沢感があると見て輸入品に対する買い気が乏しい。また、誘導品であるポリプロピレン相場が軟調に推移していることも中国需要家の買い気を抑えている。
韓国では、メーカー1社が6月積みを1,100ドル以上でスポット販売した。
東南アジア市場では、多くのメーカーの供給に余剰が生じ、スポット販売した。
アジアのブタジエン市場はいずれも強含んだ。
北東アジア市場では、韓国品が米国向けに販売されており、先行きアジア域内の供給に引き締まり感があるとの観測が強まった。こうした状況下、ファームな商談が聞かれないが、相場は強基調に推移した。
東南アジア市場では、タイPTTGCが6月積みの販売入札を実施した。