アジア石油製品=5月17~21日:0.05%S軽油の軽油の上値重く、中国LCO課税で需要減退懸念
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリンはもち合い。中国から6月積みの輸出が減少しそうだ。中国国内では新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、感染が収束しているため、経済活動が復活している。これにより、ガソリンの需要が増えているため、中国石油会社は6月積みの輸出を抑えるとみられる。装置面では、S-オイルのオンサン製油所で11日に停電が発生し、残油流動接触分解装置(RFCC)が一時稼働を停止したものの、翌日に稼働が再開したようだ。フィリピンでは、ペトロンの製油所と残油流動接触分解装置(RFCC)が6月に稼働再開を予定している。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、日本勢が7月着品の購入を検討している。三井化学は、7月後半大阪着ナフサの買付け入札の実施を検討しているほか、昭和電工も7月後半着玉の調達を計画しているもよう。また、丸善石油化学は7月前半着オープンスペック・ナフサの買付けを予定しているようだ。一方、韓国が祝日となったため、具体的なスポット玉の取引の動きは閑散となった。 米コロニアル・パイプラインの操業再開を受け、欧州からは米国向け供給が減少する一方、6月のアジア向けアービトラージ玉の数量が190万トン程度と以前の150~160万トン程度の見通しから増加すると目されている。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場はもち合った。需要が振るわず、相場は下押し圧力が強まっている。新型コロナウイルスの感染が続いている中、東南アジアの需要が乏しく、トレーダーはカーゴの調達意欲が弱い。同じ背景で、このところアフリカなど域外向けに輸出する動きも見られない。供給面では、韓国石油1社が6月積みMR船型の販売を進めているものの、買い手が見つからず、商談は難航している。分解軽油(LCO)に関しては、すでに成約されていた6月韓国積みをキャンセルする動きが中国の買い手から広まっている。このため、韓国の石油会社はLCOのキャンセル分を軽油やLSMGOの生産へ切り替える方針が聞かれる。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国では、VLSFOやその基材となる0.5%S重油の需要が弱含む一方、石油会社各社の供給体制には変化がなく、結果として需給悪化から韓国積み市況への下押し圧力は増している。Sオイルは、通常どおり、株主サウジアラムコから一定供給される原油処理のため、製油所の高稼働を継続している。ただ、引き合いも弱く、同社から0.5%S重油カーゴの輸出は確認されず。また、GSカルテックスや現代オイルバンクも、ガソリンや中間留分の精製マージンの回復を受けて、製油所稼働率は高水準となっている。それに伴い、副産物となる重油の生産も潤沢だ。一方、SKエナジーは、製油所は低稼働で推移しているものの、VLSFOの供給量や販売価格は一定の水準を維持している。
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