電力=6月28日~7月2日:東西ともに前週比で上昇、太陽光の減少で
6月28日~7月2日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、東西ともに前週比で上昇。週を通じて、広い地域で雨模様となったため、前週に比べ太陽光発電が一段と減少し、価格上昇を招いた。なお、いよいよ夏の需要期に入ったが、気温は30度未満にとどまる日が続いたため、需要見合いの買いによる価格上昇は限定的だったと見られる。 23日に再稼働した関西電力の美浜原発3号機(定格出力82万6,000kW、PWR型、福井県美浜町)は、29日に発送電を再開した。営業運転は7月下旬になる見通し。
週を通じた実勢高値は、7月2日に西日本で付けた11.02円、実勢安値は6月28日に東北から九州の8エリアで付けた5.67円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.26円高の7.81円、東北と東京が同0.32円高の7.54円、中部が同0.38円高の7.90円、北陸と関西が同0.37円高の7.89円、中国と四国が同0.39円高の7.89円、九州が同0.60円高の7.80円だった。
6月28日~7月2日の9エリアの電力需要は119億4,370万2,000kWhとなり、前週6月21~25日の116億9,811万5,000kWhから2.1%増加した。なお、曜日を合わせた前年の6月29日~7月3日の需要実績は115億5,214万2,000kWhで、前年からの増加率は3.4%となった。
JEPXの先渡市場では、6月28日に2件、6月30日に6件、7月1日に4件、7月2日に5件の約定が確認された。 28日の約定は、東京エリアの週間昼間型(平日8~18時受渡)で、8月7~13日受渡で17.68円が1MW、8月21~27日受渡で18.07円が1MWだった。なお、前週25日にも同じ約定があった。 30日の約定は、いずれも週間昼間型で、関西エリアは7月24日~30日が5MWで15.06円だった。ほかの5件はいずれも東京エリアで、7月24~30日受渡が5MWで16.20円、7月31日~8月6日受渡が18.00円で1MW、8月7~13日受渡が17.68円で1MW、8月14~20日受渡が17.65円で1MW、8月21~27日受渡が18.07円で1MWだった。 1日の約定は、すべて東京エリアの週間昼間型で7月31日~8月6日受渡が18.00円で1MW、8月7~13日受渡が17.68円で1MW、8月14~20日受渡が17.65円で1MW、8月21~27日受渡が18.07円で2MWだった。 2日の約定は、関西エリアの月間昼間型で22年2月受渡が13.47円で2MWだった。ほかの4件はいずれも東京エリアの週間昼間型で、7月31日~8月6日受渡が18.10円で1MW、8月7~13日受渡が17.68円で1MW、8月14~20日受渡が17.65円で1MW、8月21~27日受渡が18.07円で2MWだった。
6月28日~7月2日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
6月28日~7月2日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
7月5日の週も、曇天の日が多くなる予報で、太陽光発電はほぼ期待できそうにない。また、西日本では連日30度を超える日が続く予報のため、空調需要は増加傾向になる見通しで、スポット価格も底上げの動きになりそうだ。夏の需要期に入ったことで、定期点検などで停止中の火力発電は一段と再開が増えるほか、前述の美浜原発3号機も稼働率が上昇するため、供給力は増加傾向になりそうだが、燃料価格が上昇基調になっていることや買いの動きが強まると見られるため、供給増による価格下押しの動きは期待できそうにない。今後は、梅雨明けのタイミングがいつになるか注目されるところだ。 |