LNG=1月5~7日:ビンツルプロジェクト、2月から生産量が回復へ
【DES北東アジア】 マレーシアのビンツルプロジェクト(年産2,800万トン)では、早ければ2月上旬から生産量が大きく回復する可能性が出てきた。ビンツルプロジェクトでは、オペレーターの国営ペトロナスが、ティガプロジェクトのガス田に水銀除去設備を備えた仮設の生産設備の設置を進めていたが、ペトロナスは設備設置の時期を計画の3月から、2月上旬へと前倒しする方向で準備し始めた。当該設備が稼働を始めるとティガプロジェクトの生産量は現状に比べ60%回復する見通し。ペトロナスは、日本の電力会社など一部長期契約者に対して、キャンセルを通告していた3~4月着の複数カーゴについてキャンセルを撤回し始めており、長期契約者の多くは2月着についても今後、キャンセルされるカーゴが半減するとの見方を強め始めた。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 欧ガンボーは、2021年末にパキスタンLNG(PLL)に対して長期契約カーゴの供給をキャンセルすると伝えた。対象となったのは、米フリーポートプロジェクト(年産1,500万トン)で船積みする1カーゴで、1月10~11日にパキスタンへ到着する予定だった。両社間の交渉はその後も継続されたが、この長期契約玉の供給はキャンセルされる公算が大きい。南アジア需要家は「PLLは当該カーゴをキャンセルされると国内への天然ガスの供給を削減して対応せざるを得ない」と指摘した。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 インドの国営ガス公社(GAIL)が12月30日締めで実施した米国出しの販売とインド着の購入のスワップ入札の落札は、ポートフォリオプレーヤーが落札した。米国出しの対象は5月23日にサビンパスプロジェクト(年産2,250万トン)で船積みする1カーゴ。米ヘンリーハブ天然ガス市況(HH)に連動した価格で落札された。米国積みの販売価格とインド着の買付け価格の差は3.00ドル台前半から半ばだったようだ。この価格差は、足元と期先相場の価格差や、米国からインドまでのフレートが考慮された。 |