LNG=2月21~25日:ビントゥル出しの供給、契約者向けの予定が立たず
マレーシアのビントゥルプロジェクト(年産2,800万トン)では、4月も供給が減少する公算が大きくなった。国営ペトロナスがティガプロジェクトにおいて水銀除去装置の設置準備を進めたが、設置時期が予定の3月中旬から遅れる可能性が強く、ペトロナスが日本の需要家などと結ぶ4月起こしの長期契約における年間供給計画(ADP)を確定できていない。ビントゥルプロジェクトの長期契約者は「4月起こしの長期契約でADPが確定してないことから、少なくとも現時点で、4月上旬から中旬着でビントゥル出しの供給を受けることは難しいと判断せざるを得ない。このため日本の長期契約者の多くは4月上旬から中旬着カーゴを代替購入せざるを得なくなっている」と指摘した。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 カタールのラスラファンプロジェクト(年産7,800万トン)では、カタールガスが運営する第6および第7液化系列(年産ともに780万トン)で3月から前倒しで定修が実施された。ラスラファンプロジェクトの沖合には、標準型「ミラハカタール」号(容量14万5,000立方メートル)を含め10隻前後が滞船しているものの、中国海洋石油(CNOOC)やタイ国営石油(PTT)などこれらの液化系列出しの長期契約者向けの供給に大幅な遅延やキャンセルは出なかった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 露ノバテックは17日締めの入札を通して、4月~2023年3月に欧州へ到着するヤマルプロジェクト(年産1,650万トン)で出しのカーゴを販売した。今回の入札でノバテックは、対象の7カーゴ全てを販売した。価格は4月14~16日、5月1~3日、5月11~15日、5月24~26日着が蘭TTF天然ガス市況に対して50~60セントのディスカウント、6月18~30日、7月1~10日、2023年3月後半着はTTFに対して65~80セントのディスカウントとなった。
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