アジア石油製品=3月14~18日:軽油が下落、期先安で買い気後退
ガソリン 韓国積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含み。買い気の強さが相場を押し上げた。シンガポールの先物市場で、4月と5月限の月間価格差が4.00ドル近辺の期先安に拡大しているため、4月前半積みに買いが集まっている。また、東南アジアでは新型コロナウイルスの影響が薄まり、輸入需要が増えているため、シンガポール市場でも市況が強含んでいる。スポットの取引では、インドネシア国営プルタミナが4月着として90RONガソリン10万バレル型の買付け入札を実施している。 一方、日本では16日の夜に地震が発生し、ENEOSの仙台製油所(日量14万5,000バレル)と千葉製油所(日量12万9,000バレル)が稼働を停止した。また、他の日本の石油会社は製油所のトラブルなどによりガソリンの在庫が低いようだ。そのなか、複数の日本商社が4月韓国積みの販売余力の確認に動いているとの情報が寄せられた。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国や日本勢による買い気がみられた。韓国のYNCCは15日、5月前半着ナフサを3月16~31日評価で日本市況に対し10ドル台前半のプレミアムで購入したもよう。カーゴ到着30日前評価では同市況に対し20ドル以上のプレミアムに相当するとみられ、4月後半着品の市況からそれほど下落はしていない。三菱ケミカル旭化成エチレンも5月前半着玉の調達に動いているようだ。域内では、ナフサに対するエチレンのクラックマージンが300~400ドル台へと回復しているものの、先行き市況の不透明感は残っており、ナフサクラッカーの減産も当面継続すると見込まれている。韓国ではGSカルテックスが、4月から装置の稼働率を80%ヘ引き下げるほか、現代ケミカルの現在の稼働率は80%程度となっている。SKエナジーは90~95%で操業しているものの、今後の稼働調整については慎重に判断するとしている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軒並み下落。先物市況の期先安を背景に、買いが減退している。シンガポールの先物市場で、4月と5月限の月間価格差は4.00ドル以上の期先安に推移している。このため、買い手は月間価格差のリスクを回避したいとの意向から、4月中旬や下旬積みカーゴの買いを抑えている。一方、軽油の精製マージンが好調を続いているなか、北東アジアの石油会社が4月積みの販売を拡大。そのなか、SKエナジーが15日、入札を通して4月5~7日と10~12日積みのMR船型2カーゴを販売した。価格は、いずれもFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し4.50ドルのプレミアムと伝えられた。これらはセットで販売したため、10~12日積みは割高な価格で取引されているという。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。価格が高騰する液化天然ガス(LNG)の代替として引き続き発電用需要が伸長していることを受けた。また、北東アジアの石油会社によると、域内の0.3%S重油と0.5%S重油の価格差は、以前の30~40ドル高からさらに拡大しているという。韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し235.00~245.00ドルのプレミアムに拡大しているという。
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