アジア石油製品=3月21~25日:ガソリンは横ばい、ENEOSの買い気が浮上
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。4月韓国積みの成約が具現化している。韓国石油1社が、4月積みの92RONガソリン(0.05%S)MR船型をインドネシア着として販売したことが判明した。価格などの詳細は明らかではないものの、FOBベースに換算するとシンガポール市況(92RON)に対し50セント近辺のディスカウント水準という。同社はフィリピン向けとしても4月積みの92RONガソリンMR船型を販売しており、価格はFOBベースで同市況対比2.00ドル近辺のプレミアムで見られている。また、GSカルテックスも4月下旬積みの92RONガソリンMR船型を販売したとの情報がある。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.80ドルのプレミアムと伝えられている。需要面では、ENEOSが製油所の稼働停止を背景に、4月積みの91RONガソリンMR船型の買いに乗り出しているものの、現段階では成約の情報が寄せられていない。
ナフサ 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対し13.00~15.00ドルのプレミアムで推移しているとみられている。一方、原油市況の急反発を受け、北東アジアにおけるナフサの固定価格も1,000ドル台へと再び上昇。ナフサに対するエチレンのクラックマージンは300ドル台後半へと縮小している。採算は確保できる水準にあるものの、域内のナフサクラッカーは2週間程度前から減産を開始したため、すぐに稼働を引き上げることができないと市場参加者は伝えている。 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は下落。軟調な北東アジア着市況を受けた。中東市場の関係者によると、フレートが高止まりするなか、中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は、中東市況に対し34.00~36.00ドルのプレミアムへと軟化しているとみられている。一方、クウェート国営石油会社(KPC)は、いまのところ新たなスポット玉の売りはないという。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。シンガポールの先物市場では4月限と5月限の値差が拡大している。このため市場関係者の多くは先安を強く意識している状況だ。また、中国積みの売り物が徐々に増加するとの指摘も出ており、相場の上値は重いとの指摘があった。韓国石油会社1社は4月末積みをシンガポール市況対比で1.50ドル程度のプレミアムで販売したという。また、同じく韓国積みを扱う中東系トレーダーによると、4月下旬積みを対象とする買いアイデアはシンガポール市況対比でディスカウント圏まで切り下がっているという。このため、高くとも同市況対比で1.00ドル程度のプレミアムまでが成約に至る水準ではないかとの見方も寄せられた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。ただ、日本では電力供給のひっ迫を背景としてJERAや東北電力が液化天然ガス(LNG)を、三菱商事が原油をそれぞれ発電用途として調達する動きがみられている。しかし、発電向けとして重油を購入する動きは聞かれず。日本の市場関係者は、16日の地震で停止している発電所が既に重油を燃料として使用しておらず、追加の購入は難しいと見ている。一方、ロシア産天然ガスの供給懸念によってLNGが高騰し続けた場合、「代替として重油の買い気が浮上する可能性はある」(同)ようだ。このような状況を受けて、北東アジア着0.3%S重油市況は依然として高止まりしており、0.3%S重油と0.5%S重油の格差も50ドル以上で推移しているもよう。
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