アジア石油製品=3月28日~4月1日:軽油が急落、期先安と中国積みの玉増加で
ガソリン 韓国積みガソリンの市況連動相場は切り下がった。需給の緩みが相場を下押した。中国の石油会社が4月積みの販売に乗り出し、北東アジアの供給が増えている。これまでに、中国中化(シノケム)、大連西太平洋石油化工(WEPEC)、浙江石化などがスポット販売に動いていたようだ。WEPECは3月28日、4月8~10日積みとして94RONガソリンMR船型の販売入札を締め切った。韓国では、石油1社が4月中旬積みの90RONガソリンMR船型をインドネシア向けに販売したことが判明した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.50ドル近辺のディスカウントと伝えられた。中国からの輸出増を背景に、成約が可能な水準はFOBベースで同市況対比40セント近辺のディスカウントに下落しているとの指摘が複数聞かれた。
ナフサ 北東アジアでは、原油市況の急落を受けて、ナフサの固定価格も大幅下落している。市況連動相場でも、ヘビーフルレンジナフサの日本着相場は、日本市況に対し1けた台のプレミアムまで下落している。ただ、市場関係者は、「固定価格が下がれば、割安感からまた需要が回復して市況連動相場も反発する可能性がある」と伝えている。一方、ロシア産のナフサについて、中国やインドの石油会社が買い支えており、実際には供給はそれほど減少していないもよう。また、ナフサクラッカーの減産による需要縮小も続いており、需給引き締まりはみられず、むしろ足元では供給余剰感が漂う。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)は大幅安。先物市況の期先安が相場を下押した。シンガポールの先物市場で4月と5月限の月間価格差が9.00ドル以上の期先安に拡大していることから、月間価格差のリスクが強く意識され、トレーダーは4月下旬積みカーゴの買いを抑えている。一方、新型コロナウイルスの感染拡大により内需が減少しているため、韓国の石油会社が4月積みのスポット販売を増やしている。SKエナジーは3月31日、4月23~25日積みとしてMR船型の販売入札を開示した。応札の締め切りは4月1日。また、GSカルテックスも31日、4月23~25日積みMR船型の販売入札を締め切った。さらに、複数の韓国石油会社とターム契約を結んでいる中東トレーダーも4月21~25日韓国積みMR船型の売り物を抱えている。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。品薄感を受けた。韓国では、SKエナジーおよびGSカルテックスが3月中旬から製油所の定修入りをしていることに加え、SKエナジーは採算性の悪化からさらに製油所の稼働率をやや引き下げているもよう。同社は得率の高い軽油の生産に傾注しており、低硫黄重油の供給は減少している。
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