LNG=3月28日~4月1日:豪プレリュードプロジェクト、供給再開へ
【DES北東アジア】 豪州のプレリュードプロジェクト(年産390万トン)の供給が再開されるとの見通しが強まった。プレリュードプロジェクトでは3月30~31日にかけて、浮体式液化天然ガス生産設備(FLNG)向けの天然ガスの生産を開始した。オペレーターの英シェルが復旧に向けた準備を進めており、首尾よくいけば4月後半にもLNGの出荷が再開されそうだ。プレリュードプロジェクトでは、送電設備の不具合に伴い2021年11月26日の出荷を最後に供給が停止した。それ以後も複数の設備で障害が発生するとともに、西豪州の管理当局による生産再開の許可がおりなかったこともあり、生産の再開が大幅に遅れた。プレリュードプロジェクト出しは、権益保持者のシェルが年間190万トンを引き取る他、韓国ガス公社(KOGAS)、台湾中油(CPC)、JERA、静岡ガスなどが長期契約でカーゴを引き取っている。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 パキスタンLNG(PLL)の3月25日締め4~5月着計2カーゴの買付け入札は、キャンセルされた。PLLが応札価格を割高と判断したもよう。4月21~22日着に対する最安値の応札は欧ビトールが提示した34.6777ドル。5月14~15日着は、中国石油天然気(ペトロチャイナ)の33.53ドルが最も安い応札だった。3月25日午前の時点では応札価格が36.00ドルを下回れば落札されると見られていた。南アジアの需要家は「3月25日にインド着相場が大幅に下落したため、PLLは相場をさらに下がるとみて今回の入札での買付けを一旦見送り、同じタイミングで新たな買付け入札の開示を検討している可能性がある」と指摘した。PLLは国内向けの天然ガスの供給削減や重油や石炭を代替購入して需要をカバーする選択も検討していた。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州連合(EU)は3月下旬、ロシア産天然ガスとLNGの代替えとして米国産LNGを年末までに追加で1,100万トン受け入れることで米国と合意した。EUはドイツを始め複数の国でLNGの受入れ設備、気化能力を増強する方針を打ち出しており、欧州向けのLNGは今後、増加すると見込まれた。一方、期近は、欧州向けのLNGは増加しなかった。欧州企業は、3月に北西欧州へ入着するLNGは、年間ベースの数量に換算すると約7,530万トンになると指摘したうえで、「3月の入着数量は2月とおおむね同水準であり、1月はこれが9,000万トンだったことから、2~3月着は逆に1月比で落ち込んだ」と指摘した。 |