原油・コンデンセート=3月28日~4月1日:OPECプラス=5月の大幅増産を見送り
中東 石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、31日に開催したビデオ会合で、5月も増産幅の大幅拡大を見送った。今回の増産量は日量43万2,000バレルと、昨年8月以降の日量40万バレルをわずかに上回る水準にとどまった。おおむね市場関係者による予想の範囲内となった。ロシアによるウクライナにおける軍事行動を背景に原油価格が高騰するなか、米国をはじめとした西側諸国は産油国に対して増産を要請したものの、OPECプラスはこれをほぼ無視した形となった。OPECプラスは現状の市場について、「(需要と供給)は均衡がとれており」、昨今の価格変動は「需給の変化によるものではなく、政治的な展開によるもの」と指摘。一方、市場関係者からは、ロシアがサウジアラビアと並びOPECプラスの中核的な存在であることが、OPECプラスが大幅な増産には踏み切りにくい一因になっていると指摘されている。
アフリカ・欧州・ロシア・アメリカ 4月積みのアフリカ産原油の商いでは、アンゴラ産原油に依然として未消化玉がみられる。代表的な需要家である中国で新型肺炎の感染が拡大しており、需要が低迷していることが一因とみられる。米エクソンモービルが4月末積みのパズフロールの販売交渉を続けているうえ、米シェブロンが4月積みのダリアを5月着として欧州向けに売り唱えているようだ。
南方 5月積みのベトナム産原油の商いはほぼ一巡した。同国の国営PVオイルは既報のとおり、5月積みの入札でチムサオ、ルビー、タンロンとSV-DNを販売した。そのうち、SV-DNはタイ石油公社(PTT)へ販売されたものの、他の3油種は既報のとおり、ベトナムのビンソン石油精製化学(BSR)へ仕向けられた。アフリカなど域外産原油の価格に南方産などと比べた割高感があったうえ、国内の製油所の稼働率が高水準に推移していたため、これらベトナム産原油が国内に取り込まれたようだ。
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