原油・コンデンセート=4月4~8日:サウジ、5月ALOSPを4.4ドル上げ
中東原油/コンデンセート サウジアラビア国営サウジアラムコは4日、アジアの契約者向けとなる2022年5月積みアラブ・ライト原油(AL)の公式販売価格(OSP)のフォーミュラを、前月から4.40ドル引き上げた。水準は、5月積みドバイ原油およびオマーン原油の平均値に対し9.35ドルのプレミアム。これはALのOSPとして、過去最高。世界的に需要が増加する一方、ロシア産原油の購入を避ける動きが強まり、需給が引き締まった。また、ブレント原油とドバイ原油のEFSが拡大したことで、ドバイ市況に連動する中東産原油が域外産の原油よりも割安に映り、指標となるドバイペーパーの月間格差のバックワーデーションがさらに拡大した。サウジアラムコは、これらを考慮し、OSPを引き上げた。このほか、超軽質油種のアラブ・スーパーライト原油(ASL)が前月から2.70ドル、中質油種のアラブ・ミディアム(AM)は前月から4.40ドルそれぞれ上方修正された。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 東シベリア産ESPOの商いでは、現時点でも引き続き5月積みのカーゴの消化が進んでいない。ウクライナ情勢を背景に、需要家の間ではロシア産原油の購入を避ける動きが強まっていることが要因。また、主要な買い手である中国勢の需要が後退していることも一因。上海では都市封鎖(ロックダウン)が延長されるなど、中国国内での行動制限が強化されており、石油製品および原油需要の減少につながっている。5月積みエスポの船積みは32~33カーゴが予定されている。しかし先週時点では、中国山東省の独立系精製業者を中心として購入したカーゴの数は10カーゴ前後にとどまっており、少なくとも半数以上のカーゴが未消化とみられている。例月であれば、船積み月の2カ月前の月末には売り切れとなっている。
南方原油/コンデンセート 5月積みマレーシア産原油の商いでは、同国の国営ペトロナスがキマニスを含む手持ちのスポットカーゴの販売を終えたようで、5月積みの商いは一巡した。5月積みのキマニスは商い序盤でブルネイエナジーサービストレーディングが上旬積みのキマニスをOSPに対して60~70セントのプレミアムで販売していたが、ペトロナスが先週末に月末のキマニスをOSPに対し3ドル台のディスカウントで販売するなど相場は急落した。主要な需要家であるタイでは、製油所の稼働率が下落しているとの情報は寄せられておらず、マレーシア産の供給増が相場を押し下げたようだ。実際、マラッカ製油所の定修の影響もあり、5月積みでは、通常はスポット相場にあまり放出されないビンツル、キジュロン、ミリなどがスポット販売された。
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