アジア石油製品=4月18~22日:0.3%S重油が軟化、韓国の需要減退で
ガソリン 韓国積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は弱含み。買い気の弱さを反映した。シンガポールの先物価格は期先安で推移しているため、5月後半積みカーゴについて買い気が減退している。また、フレートが高騰していることも、FOBベースの市況連動相場に下押し圧力を強めている。 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は軟化。需要が振るわない。韓国品の主要な仕向け先である日本から買い気が減退している。為替市場で円安が進んでいるため、日本では韓国品の輸入採算が合わなくなり、日本商社や元売りなどは輸入品の買いを抑えている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、日本勢や韓国勢による6月前半着品の買い気が確認されている。三菱ケミカル旭化成エチレンは、ライトナフサ(パラフィン比率85%)を日本市況に対し10~11ドルのプレミアムで買い付けていたもよう。また、ハンファトタルは、オープンスペック・ナフサ2万5,000トンの買付け入札を21日に締め切った。一方、東ソーおよび昭和電工は、ナフサクラッカーの定修明け稼働を20日に再開したもよう。 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場はもち合い。バーレーン石油公社(BAPCO)は、5月積みフルレンジナフサ(B210)の販売入札を再び実施し、19日に締め切っていたようだ。一方、インド国営石油会社(IOC)は、コーチ出し玉の販売入札を21日に締め切った。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軒並み下落した。買い気の減退が相場を下押した。先物価格の期先安を嫌気し、需要家は5月後半積みカーゴの買いを抑えている。また、トレーダーによる域外向けの調達意欲も後退している。アジアから米西海岸向けのアービトラージが閉じているうえ、フレート高などにより欧州地域向けの輸出採算も合わないようだ。一方、ジェット燃料の精製マージンが好転しているため、北東アジアの石油会社が5月積みの販売を増やしている。SKエナジーは20日、入札を通して5月25~27日積みのMR船型を販売した。同社は5月13~15日と20~22日積みの売りにも出ていたが、前者は交渉中で、後者は応札価格が割安と判断し、販売を取り消した。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化。需要後退を受けた。韓国では、発電用の低硫黄重油の需要期が終わりを迎え、国内需要が低迷。輸出余力が高まり、韓国積み品の市況連動相場は、同市況に対し10.00ドルのディスカウント~フラットに下落していると、韓国石油会社はみている。韓国積み0.3%S重油と0.5%S重油の格差も20ドル程度に縮小しているようだ。 また、韓国積み0.5%S重油(MR船型)も軟化。先安観が影響した。韓国石油会社によると、インターマンススプレッドのバックワーデーションが拡大していることが考慮された。
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