電力=8月1~5日:東が猛暑で暴騰、3日の複数コマで200円
8月1~5日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が大幅高となった。週前半の東京エリアでは厳しい暑さとなり、1日の最大需要が5,744万kWと2010年9月以来の水準に達した。さらに、2日には5,930万kW、3日も5,889万kWに達し、東京エリアのH1需要である5,752万kWを上回った。いずれも前日時点でこうした見通しが出ていため、スポット価格もこれに反応。3日受渡の東日本では、複数コマで200円を付けるなど、ベースが東京で86.13円、東北で84.92円、北海道で73.92円に達した。一方、西日本も猛暑の地域が広がったものの、東日本のようなスパイクには至らず、3日受渡のベースは中部が37.08円、北陸、関西、中国が24.90円、四国が24.23円、九州が11.06円だった。太陽光発電が潤沢となった九州では、日中時間帯の価格が1けた中心に推移し0.01円も2コマで付けた。こうした東西の価格動向について、複数の市場関係者からは「原子力発電の稼働状況の違いが価格に如実に表れた」との声が多く聞かれた。
燃料相場は、LNGの北東アジア着相場が高値を維持する動きとなり、冬季物ではmmBtuあたり51ドル台を付ける日もあった。豪ニューキャッスル積みの一般炭相場も期近などが400ドル前後で推移した一方、原油価格はWTIが週後半に90ドルを割り込むなど下値を試す展開となった。
週を通じた実勢高値は、3日の北海道、東北、東京の東日本3エリアで付けた200.00円となった。実勢安値は引き続き0.01円となり、九州は1~5日の連日で付けた。5日には、北海道でも2コマのみ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比17.26円高の42.98円、東北が同24.82円高の48.62円、東京が同18.81円高の51.05円、中部が同5.39円高の35.18円、北陸、関西、中国が同0.88円安の25.18円、四国が同0.53円安の24.75円、九州が同2.03円高の13.15円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが0.4%減の10億9,417万3,080kWh、買いが6.5%増の12億2,401万900kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から2.4%増の9億8,570万2,390kWhだった。
8月1~5日の9エリアの電力需要は146億7,964万9,000kWhとなり、前週7月25~29日の143億3,751万3,000kWhから2.4%増加した。なお、曜日を合わせた前年の8月2~6日の需要実績は144億2,348万8,000kWhで、前年からの増加率は1.8%となった。
8月1~5日のJEPXの先渡市場では、2日に1件の約定があった。東京エリアの週間24時間型で、8月6~12日受渡が34.00円、約定量は5MWだった。
8月1~5日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
8月1~5日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
8月第2週は、11日から旧盆休暇に入るメーカーなどが増えるため、工場などの需要は大きく減少することから、電力スポットも上値は抑制されると見られる。ただ、週を通じて九州から東北南部にかけて、連日の猛暑が予想されているため、旧盆休暇前の8~10日は価格スパイクに対する警戒は強まっている。また、旧盆入り後についても、火力発電などの停止が増えることから、新たに発電設備でトラブルなどが発生した場合、思わぬ高値を付ける可能性がある。
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